第4話

ダーマの日常
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2018/11/21 11:06


『あぁっ...!モトキっ、モトキっ!!!』
モトキの皮膚が、俺の毒によって溶けていく。何故こんなことになってしまったんだ。俺は、モトキを殺すつもりなんてないのに...!!!
『ダーマ!?どうした!?』
そこへやってきたぺけに落ち着けと促される。まだモトキの息はある。
『ごめん...!ごめんっ!!モトキっ!!!』
『ダーマ!落ち着いてくれないと!解毒出来るのダーマだけだからっ!!!』
深呼吸を促される。
『ま...だ、俺...は、死なない...からっ、ほら、深呼...吸、して?』
数回深呼吸をして、やっと落ち着いた。
『ほら、モトキを解毒して?』
モトキを解毒していく。どうやら、俺に深呼吸しろと言ってから、気を失っていたらしい。
『よし、じゃ、モトキは安静にしないとね。』
落ち着いたら、安心と不安で涙が零れた。
『何があったの?』
『じ、実は...』

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今、目の前で寝ているモトキを見ながら、そんな昔のことを思い出した。いや、ずっと根に持っていた。何故俺はあの時能力が暴走してしまったのか。考えれば考えるほど申し訳なくなってしまう。
「本当に...あの時はごめん...。」
過去は過去であるし、今のモトキの顔には皮膚が溶けた跡も残っていないので今更悔やんでも特に意味は無いのだけれど。
何故か涙を流して眠るモトキの濡れた頬を拭っていると。
「やっほー!アイス買って来たよー!おふたりさーん!」
入ってきたのはぺけだった。そしてモトキが眠っているのを見ていた俺を見つけて
「また、あの時のこと、思い出してたの?」
痛いところを突いてくるやつだ。全くその通りなので何も返さないでおく。
「モトキは、恨んでないよ?お前のこと。」
それは何回もモトキの口から聞いている。しかし、俺が俺自身を許してくれないのだ。

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