ーあなた sideー
最近、とてつもなく寂しいんです。
樹が仕事で中々時間がなくって。
コンサートとかテレビとか雑誌とかですごい忙しそうなんです。
仕方がないか。アイドルだし。
樹「あなた、どうした?」
「ん?何が?」
樹「いや、なんかずっとぼーっとしてるし。」
「いや、大丈夫。なんでもない。ちょっと考え事してただけ。」
樹「ん?なにか悩んでるの?」
「悩んでないから大丈夫だよ。安心して?」
樹「何?話して。夫婦の間では隠し事なしだよ。」
「樹に寂しいなんて言えないよ。」
樹「何?なんて言った?」
「ねぇ樹。お互いさ、仕事で忙しいのは分かるよ。私も演技のお仕事とかあるし、樹もジャニーズっていう職業だからコンサートとかで遠出するのもわかる。
でもさ、
もうちょっとだけ一緒に居る時間作れない?」
樹「何?」
「もうちょっとだけ一緒にいる時間作れないですか!!!」
樹「....」
「あっ、えっと、あの、」
樹「ごめん。」
「えっ、いや、謝ってほしいとかそういうのは全然関係ない。」
樹「いや、俺もあなたにそう思わせてるって知らなかったから、このことに関しては謝らせてほしい。」
「じゃあ私もごめん。樹に相談しないでずっと自分の中で思ってたこと。」
樹「これから気をつけてこ。」
「そうだね。笑」
樹「さっ、今日はもうゆっくりしよ。」
「うん!!!」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。