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2021/12/02

第33話

Thirty-two




ナヨンside___




部屋にサナを連れて、ココアの置かれたテーブルを挟んで対峙すると、さっきの態度とは裏腹にどこかよそよそしい。




サナから話し出すのを待っていると、やっぱり何かプライドが邪魔してるのか何度も言葉を飲み込む音が聞こえる。




ナヨン
ナヨン
...サナ、本当はあなたとヨヌさんの事どうも思ってないんでしょ
サナ
サナ
っ?!そ、そんな訳ないやろ!許せへんに決まって...
ナヨン
ナヨン
最初にそう言っちゃったから今更引き下がれないだけなんでしょ?
サナ
サナ
なっ.........なんで分かるん...
ナヨン
ナヨン
...なんで急に声小さくなるのよ笑
サナ
サナ
...ほんまは、ちょっと嫌がらせしたろかなって思っただけやってん
サナ
サナ
だってムカつくやん。あなたを苦しめた癖にそんな簡単に許されるなんて
ナヨン
ナヨン
うん、それは私も思った
サナ
サナ
あなたが許したならうちらが口出せんことも分かってんねんけど...
サナ
サナ
...ヨヌさん呼び出して、ちょっと追い詰めたら軽くいなされてムカってして
ナヨン
ナヨン
そんなことしてたの...笑
サナ
サナ
追い詰めた本人がいる場所で何も言わずに許したら...負けみたいな気がしたんよ
ナヨン
ナヨン
だから頑固になっちゃったって?
サナ
サナ
...ほんまに、ごめんなさい。ジヒョちゃん泣かせるつもりなんて無かってんけど...
ナヨン
ナヨン
分かってるわよ。どうせモモも同じようなことでしょうし
ナヨン
ナヨン
でもね、その考えさっさと捨てなさい?でないと大事な物失うわよ
サナ
サナ
...うん。ごめんな、ほんまに
ナヨン
ナヨン
いいわよ、気にしなくても。今からモモ呼んで、すぐにジヒョに謝りに行って。分かった?
サナ
サナ
ん...ありがと、話聞いてくれて。なんかスッキリした笑
ナヨン
ナヨン
ん、頑張ってね




もごもごと話し出したかと思えば、想像通りの可愛らしい理由。




ほんとに心からスッキリしたようで、ここ二日間見れていなかった心からの笑顔を見せて部屋から出て行った。




少しすればまた扉が開いて、開口一番に土下座しながらごめんなさいと言われて。




全く...分かってんなら最初からすんじゃないわよ笑




モモからもほとんどサナと同じような内容の話を聞いて、サナと同じような内容のことを伝えて。




モモが出て行く頃には私の目の前にあるココアは綺麗さっぱり無くなっていて、なんだか一仕事終えた気分で眠くなる。




...このまま寝ちゃいましょうか。あなた達が帰ってくるのは当分先でしょうし...




そんなことを考えて、掛け布団を無視して飛び込めばすぐに意識は飛んで行った。























あなたside___




束草でたらふく美味しいものを食べて、随分綺麗な景色も見て。




今は帰り道。後ろの三人は疲れ切ったのかぐっすりと眠っている。




隣には朝とは違って日本人のミナがこっくりこっくりと眠そうに頭を動かして、少し車体が傾くと頭を軽く振ってどうにか寝ないようにしている。





あなた
ミナ、眠いなら寝とき?帰って大人しく寝れるかわからんし
ミナ
ミナ
ん...でも、私が寝たらあなたに任せっきりみたいな感じで嫌や...
あなた
任せっきりって?
ミナ
ミナ
...色々。こうやって連れ出してくれるのも、あの場を取り持ってくれたのも全部。
あなた
あぁ...ここで寝ても寝ないでも変わらんけど
ミナ
ミナ
意地悪なこと言わんで...笑
あなた
頑張って、もうすぐ着くから
ミナ
ミナ
ん〜...




眠さが限界なのか、意識があるのかないのか分からないような生返事が帰ってきた後すぐに首をもたげた。




...あんなに寝ないって言ったのにあっさり寝たな笑




静かな車内に響く車体が風を切るような音。




その音が、どこか私の焦燥感を掻き立てる。




朝のとある時間から、ジヒョからの連絡が途絶えた。




中途半端な"今二人が"の短文だけ送られてきた後から何の連絡も




殴り合い、そんな言葉が脳裏を掠めた。




まさか。流石のあの二人でもデビュー前の顔に傷を付けるようなことはしないだろうと思うものの、




今のあの二人ならやりかねないという不安もある。




夜の暗い道路。ヘッドライトが照らす両端の木々達が私に早く戻れと囁いているように思えて恐怖を覚える。




事故を起こさないように、法定速度を超えないようにと心掛けつつ、アクセルを踏む力を強めた。