いつからだったろうか
ヒーローになるのを諦めたのは
いつからだったろうか
外に出ていないのは
先輩達は…もう忘れているかな
高校を卒業したら旦那様に閉じ込められた
壊理ちゃんと一緒に
私の血肉も実験に使われた
痛くても
苦しくても
辛くても
壊理ちゃんだけは守らないとって
そう思って
ヒーローに憧れてた私の最後の足掻きで
壊理ちゃんだけは守ってた
助けてと願うのは何時しか辞めていた
2度、ヒーローに裏切られれば誰でもそうなるだろう
旦那様は言っていた
「〝個性〟は病気」だと
「病気持ちの英雄症候群の奴らには近づくな」と
もう、心身ともにボロボロだった私は
旦那様を信じる事にした
もう、辛い思いをしたくなかった
私の血肉で実験をさせてしまえば
壊理ちゃんも痛い思いをしない
旦那様は私を捨てない
嗚呼、先輩達は私の最後のSOSに気が付いただろうか
もし、気が付いたら壊理ちゃんだけでも
死穢八斎會から助けて下さい…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。