私はみんなと一緒に帝光中学校でバスケしてた
楽しかった
幸せだった
皆が幸せだったから私も幸せだった
でも
あの全中の日
私は壊れた
周りからは純白の天使だなんて言われてたなぁ
でもあの全中での相手チームとの点数を見て
皆のその後の感想を聞いて…
私は絶望した
笑いが止まらなくなった
泣きながら笑った
ずっと
ずっと
ずっと
……
その時試合を見に来てた真先輩達無冠の5将の人達が来た
私の目には
何も映らなかった
多分壊れたんだと察した
許せなかった
私が楽しくやってたバスケが
3歳の頃から大好きだったバスケが
こんな感じで侮辱された事に
それと同時に幻滅した
あの奇跡の世代に
次の日から“私”は“僕”になった
片目が真っ黒になった
何も映さない
光も逃げ出せないような真っ黒に
それと同時に皆の前に姿を出さなくなった
顔も見たくなかった
会ったら殴りかかりそうだった
私の中には
“あいつ等を潰したい”
“あいつ等を再起不能まで追い詰めたい”
“あいつ等が絶望している顔を見てみたい”
そんな真っ黒な感情が渦巻いた
鉄平達にも止められた
でも
それでも
僕は
真が居る
歪んだ人達がいる
霧崎第一に
足を運んだ
猫をかぶって
私の仮面を被って
影から
少しずつ
少しずつ
壊していく
どんな天才でも壊れればただのガラクタでしょ?
壊したいんだよ
奇跡の世代っていう天才を
君達が愛していた私の手で
確実に
確実に
壊していきたい
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。