─────死にたかったんだ
ずっと
私は
親に愛された記憶も
友人という物が出来た記憶も
笑った記憶も
泣いた記憶も
怒った記憶も
嬉しかった記憶も無い
だから
だったら
_______死んでも構わない
そう思ってた
TDDと空却、簓の6人に助けられてから
私は変わった
生きたいと
初めて願った
なのに
それなのに
………解散した
私はまた一人になった
研究者に捕まった
………片眼が機能しなくなった
片腕が無くなった
胃が動かなくなった
…………道具になった
実験が終わったら捨てられた
また
死を願った
恥の多い生涯を送って来ました
自分には、人間の生活
というものが、見当つかないのです
人間の心には
もっとわけのわからない、おそろしいものがある
人間、失格。
もはや、自分は、完全に、人間で無くなりました
神に問う。信頼は罪なりや。
私は
人間失格
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!