第112話

104
20
2020/07/12 16:23
昔私は柱だった

柱の中でも最年長

行冥よりも歳上だった

皆私を慕ってくれていた

皆私と話すと赤面していた気がする

鬼の妹を持つ子も

たんぽぽの様な子も

猪の面を被った子も

コインで物事を決める子も

思春期で私と話すのも恥ずかしがっていた子も

皆皆

私の仲間だった

柱の皆も後輩のみんなも

生きていてくれてよかった

私が身を呈して守れてよかった

そこで一度記憶は途切れた

次目を冷ましたら見知らぬ夫婦がいた

どうやら私はもう一度産まれたようだ

次の年になり弟が産まれた

弟も私もすくすくと成長してお互いプロヒーローになった

また大切な人達が出来た

また守りたい人達ができた

それはお互いそう思っていたらしい

この子達の反応が昔の仲間に似ている

皆にも会いたい

どこに居るかも分からない皆に

耀哉さんに会いたい

嗚呼

皆は今

どこに居る?

私が守りたくて守りたくて仕方がなかった君達は

今どこに居る?

天国?

この世?

もしこの世に居るのなら

会いたいよ



消太にも会わせてみたい

ひざしにも会わせてみたい

睡にも根津にも俊典にもまだまだ会わせたい人は居る

頼むから

この世に居るのなら

姿を表してくれる

プリ小説オーディオドラマ