私はトイレに向かった
何この状況、誰か説明してよ
もう私は生きづらくなっちゃうの?
そんなの嫌だよもっと生きたいのに
もう暴力は振るわれない?
もう暴言は吐かれない?
それはもう私死ぬしかないんだ
人を傷付けることも生き甲斐だった
だけど、それは良くない事だと知っていた
そんな悪い事するならば
死んだ方がマシなのかもしれない
自分は傷付けられてもいい、だけど他人が傷つけられてんのは見てて嫌なんだ
血も繋がってないのに父親が母親を殴っていたから私が身代わりになって虐待されていくうちに
殴られることが生き甲斐になってしまった
これも全部血の繋がってない父親のせい
今この生死をさまよってるのも全部血の繋がってない父親のせいなんだ
アイツのせいで私の人生めちゃくちゃだ
でも限界だった、殴られない自分を暴言吐かれない自分を生かすのは今が限界だった
殴られない数分で凄く死にたいという感情が芽生えて来てる
私死ぬしかないかもしれない
いや死んだ方がいいかもしれない
生きていけない状況を踏まえて私は死んだ方が周りに迷惑かけず喜ぶかもしれない
こんな状況になって生きるのが必死だった自分が嘘みたいになった
あの血の繋がってない父親に振り回された
気持ち悪い汚いその手で殴んなって思ってた昔の自分に戻っていく気がした
そんなことを考えていくうちに意識が無くなって私はその場で倒れた
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!