当たり前のようにそう呟くけど一人暮らしの私には誰もおかえりなんて言ってくれるはずがなくただただより一層私の気分を沈めていく。
今日何度目か分からない溜息を着きながらテレビを付けた。
[────今年1番の冷え込みと思われます。 次のニュースです。今日見られるという流れ星が最新の情報だと午後11時一気に何千もの流れ星を見ることが出来るとのことです。家族ずれやカップルが集まっている新潟────]
流れ星…か。いつぶりだろ、最後に見たのは、えっとー。
私はそこで考えるのをやめた。今は家族の事を考えたくない。2ヶ月前にずっと女手一つで育ててくれた母を亡くし、それからずっと家族に関する思い出には触れていなかった。
私は気を紛らわそうと冷蔵庫を開けて食べ物を探したが何もなく、更に機嫌が悪くなった。自業自得だと思ったでしょう。私もそう思う。
少し寝るか。
そう思いベッドに横になると、案外すぐ眠りに落ちた。
ジリジリジリジリ…
予めかけておいた目覚ましが容赦なく私を起こす。
相変わらずうるさいなこいつ。新しいの買おうか。
なんてくだらない事を考えているとある事に気付いた
時計を見ても夜の11時をまわっていてとっくに夜中のはずなのにやけに明るい。
あ。流れ星!
そう思い出して急いで家から出ると、夜空は流れ星で埋まっていた。
起きててよかった。目覚ましありがとう。一生あんたを使い続けるよ。
ん?ん?ん?
しばらく見ているとひときわ輝く流れ星がなぜか逆走していた。伝わって。この意味。逆走してるの。びゅんって。
そして、
ドカーン………
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。