第12話

8 数日後
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2022/08/10 09:01





前回のアンケートの結果、もう少し他キャラとの絡みを増やして欲しいという方が多かったので、今回はまだ現在編にしようと思います。

早く過去編に入って欲しいという方も、もう少しで入るので少々お待ち下さい。












久々に双黒の絡みを見た後、改めて敦君に就いて調べると、どうやらポートマフィアの三十五人殺しの女の子を巡って、芥君と貨物船で激闘を繰り広げていたらしい。敦君は何とか三十五人殺しの女の子を助け出し、救助に来た探偵社のおかげで窮地を脱したようだが、芥君の方は可也かなりの大怪我を負ったとか。
あなた
……芥君と渡り合えるほど、か
以前袋小路で見た時は、自分の異能力を使う事すら躊躇っていたようだったのに。
恐ろしい位の成長速度だ。若しかしたら、近い内に組合ギルドの団長__フランシス・フィッツジェラルドとも戦えるようになるかも知れない。まあ、その作戦に失敗しても、本命の作戦があるから特に問題はないのだが。
















































ギンッッ!!!






























あなた
妙な音が耳に届いた。音のした方を探り当てると、そこには__




























宙を舞う大型の自動車、投げ倒されて山のように積まれていくガタイのいい男多数、標識を軽々と振り回している少年、そしてそれを見てあんぐりとしている敦君の姿があった。











何この状況。
中島 敦
あっ、貴女は…
あなた
偶然、敦君と目が合った。
あなた
えっ、と…
中島 敦
偶然ですね、こんな処でまた逢うなんて
敦君が駆け足でこちらに近付いて来た。
あなた
…私の事、憶えていて下さったのですか?
中島 敦
はい、凄く綺麗な方だったので
あなた
『綺麗』、ね…





しかしまあ、真逆まさか憶えられていたとは。流石に予想外だった。
本来なら探偵社と関わりを持つのはあまり好い事ではないが、敦君は軽めに説得しておけば、きっと口外はしないだろう。それに、今の内に標的ターゲットの内部情報を探れる事は、この上ない好機チャンスだ。
あなた
処で、は如何したんです?
敦君の後方を指指す。
其処には、山積みになった男達と、何かに握り潰されたような跡が残った自動車、満足気に微笑んでいる私より年下であろう少年が在った。
中島 敦
あ、僕達は武装探偵社と云う者でして、それで今仕事をっ!
敦君が慌てて説明する。成る程、迷惑事に巻き込まれている訳じゃなかったのか。
あなた
そう云う事でしたか。…探偵社の方だったんですね
中島 敦
はい!中島敦と云います。えっと、貴女は…
あなた
……あなたの名字あなたです。宜しくお願いします
中島 敦
此方こそ、…あなたの名字さん
あなた
気安く呼び捨てで構いませんよ、私も敦君と呼んで善いですか?
中島 敦
勿論!











































あの後、敦君とは一旦別れ、男の子を牛丼屋に連れて行った。
今は、その近くの喫茶店で敦と向かい合った状態でお茶をしている。
中島 敦
えっ!十六歳!?
あなた
? はい
敦君に年齢としを訊かれたので、有りの侭を話すと、この通り声を上げて驚かれた。
中島 敦
み、見えない…
あなた
そうですか?ちなみに敦君は…
中島 敦
十八です…あなた、大人っぽ過ぎる…
あなた
ふはっ…他の探偵社員の方々はどの様な感じなんですか?
中島 敦
皆さんとても賑やかですよ、…ひとり自殺嗜癖マニアの先輩が居ますけど…
…太宰か…。
あなた
…それはまあ、個性的な方ですね
中島 敦
でも、僕の命の恩人で、感謝してもしきれない位なんです
あなた
………は…
命の恩人…?感謝…?太宰に?
あなた
そんな事、無意味だよ
中島 敦
え?
あなた
………いえ、何でもありません
まずい、この侭だときっとボロが出る。
あなた
失礼ながら、私はこれで
中島 敦
椅子から立ち上がり、急いで店の外へ出た。

大して動いてもいないのに、息が上がっている事に暫く経ってから気が付いた。

















































____『命の恩人で、感謝してもしきれない位なんです』___















あなた
…嘘だ、絶対……彼奴あいつは…ッ!















彼奴あいつは、私の『兄』を見殺しにしたんだから__!!!

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