⚠︎今回、アニメ未登場(と言っても4期PVに出ていますが)キャラが出ます⚠︎
そう、そいつは突然現れる。まるで、魔法のように。
資料を渡す為に、ドス君の部屋に続く廊下を歩いていた。何の装飾もされていないやけに音が響く薄暗い廊下。
コツ コツ コツ コツ ………
ふと、歩を進めていた足を止める。
眼で見なくても判る。直ぐ背後にそいつが居る事が。
振り返って顔を見上げる。その顔は迚も上機嫌そう。
この人は正直に云って「嫌いなもの」の類だ。どことなく太宰に似ているから。
それに、この人がドス君の部屋に来る場合は、高確率で仕事の邪魔をされる。ドス君でも私でも関係なく。
だから、私がこの場で突き返しても、上司の仕事の効率を気遣っているだけであって、決して私情ではない…………筈。
突然、私のシャツの裾を指で摑み、慈愛に満ちた声で云った。
実を云うと、私が現在着ている服は、凡てゴーゴリが用意した服なのだ。更に髪型迄も、命令と称して強制的にお団子ヘアーにさせられている。そんな事、ドス君が許す筈がないのに、何故かその時だけは了承していた。解せぬ。
こっちはそこそこ本気なのだが。あっちもあっちでそれを判っていて云っている。私よりも自分の方が強いと確信があるから。本当に腹が立ってくる。
もうどうにでもなれ。
ドス君が心底機嫌が悪そうに云う。
結局、ドス君の部屋に着いても離れず有言実行を為したゴーゴリ。どうでも良くなってその侭ドス君に資料を渡した。
ドス君が少し考える仕草をする。
思わず笑いが零れてしまった。
そして、漸く私から離れたのであった。
その後__
この侭、暫く解放して貰えず、甘やかされている事に全く気付かないあなたちゃんなのでした。
4期PVを観て、ゴーゴリ君の全体的なカラーがあなたちゃんに似ていたので書きたくなりました。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。