第13話

番外編
1,341
2022/08/15 08:45
⚠︎今回、アニメ未登場(と言っても4期PVに出ていますが)キャラが出ます⚠︎















そう、そいつは突然現れる。まるで、魔法のように。








































資料を渡す為に、ドス君の部屋に続く廊下を歩いていた。何の装飾もされていないやけに音が響く薄暗い廊下。





















コツ コツ コツ コツ ………


ふと、歩を進めていた足を止める。




あなた
…来る
眼で見なくても判る。直ぐ背後に





ニコライ・ゴーゴリ
やァあなた!ここでクイズ!私は誰でしょう?
あなた
ニコライ・ゴーゴリ
解らない?ヒントは、ゴーゴリ!あ、答え云っちゃった!
あなた
…はあ…何の御用でしょうか、ゴーゴリ様
振り返って顔を見上げる。その顔はとても上機嫌そう。
ニコライ・ゴーゴリ
ドス君の部屋に行こうと思ったら、偶然にも君が居たからね!声をかけた迄さ
あなた
貴方が彼の人の部屋に行く時は、大体ろくな事がありません、お引き取り下さい
ニコライ・ゴーゴリ
えー?冷たいなあ
この人は正直に云って「嫌いなもの」の類だ。どことなく太宰に似ているから。
それに、この人がドス君の部屋に来る場合は、高確率で仕事の邪魔をされる。ドス君でも私でも関係なく。
だから、私がこの場で突き返しても、上司の仕事の効率を気遣っているだけであって、決して私情ではない…………筈。
ニコライ・ゴーゴリ
それにしても、私が揃えた服装はお気に召した様だね
突然、私のシャツの裾を指で摑み、慈愛に満ちた声で云った。
実を云うと、私が現在着ている服は、凡てゴーゴリが用意した服なのだ。更に髪型迄も、命令と称して強制的にお団子ヘアーにさせられている。そんな事、ドス君が許す筈がないのに、何故かその時だけは了承していた。解せぬ。
あなた
別に。服に之と云った拘りがないので、これを着ているだけです
ニコライ・ゴーゴリ
全く、素直じゃないんだから
あなた
結構です。と云うか、距離が近過ぎです。離れて下さい
ニコライ・ゴーゴリ
何を云うんだい、私達は互いに愛を誓った仲…
あなた
なぶり殺しますよ?
ニコライ・ゴーゴリ
女の子がそんな事を云うんじゃありません
こっちはそこそこ本気なのだが。あっちもあっちでそれを判っていて云っている。私よりも自分の方が強いと確信があるから。本当に腹が立ってくる。
あなた
もう面倒くさいです、私は資料を渡しに行きます
ニコライ・ゴーゴリ
うん!一緒に行こうか!
あなた
ついて来ないで下さい
ニコライ・ゴーゴリ
え?ハグして欲しい?仕方ないなあ特別だよ!何ならこの侭行こうか!
あなた
はあ…
もうどうにでもなれ。












































































フョードル・ドストエフスキー
で、どうしてゴーゴリさんはあなたに抱き着いて離れないのですか?
ドス君が心底機嫌が悪そうに云う。
あなた
離そうと思って何度か殴ろうとしたんだけど、異能で全部躱されるから諦めたの
フョードル・ドストエフスキー
そこは諦めないで欲しいです
あなた
ご、ごめん?
結局、ドス君の部屋に着いても離れず有言実行を為したゴーゴリ。どうでも良くなってその侭ドス君に資料を渡した。
フョードル・ドストエフスキー
ゴーゴリさん、そろそろあなたから離れないと…
ニコライ・ゴーゴリ
どうするって云うんだい?
ドス君が少し考える仕草をする。
フョードル・ドストエフスキー
……もう二度と貴方のクイズに付き合いませんよ
ニコライ・ゴーゴリ
…え
あなた
クッ…ふふっ…
思わず笑いが零れてしまった。
ニコライ・ゴーゴリ
ちょ、それは狡いよドス君!そんな事云われたら離さざるを得ないだろう!
フョードル・ドストエフスキー
それを承知で云ったのですよ
ニコライ・ゴーゴリ
もおー!!
そして、漸く私から離れたのであった。


































その後__












あなた
…ドス君…??
フョードル・ドストエフスキー
何ですか?あなた
あなた
何で今度はドス君が抱き着くの…
フョードル・ドストエフスキー
…強いて云うなら、汚れを落としています
あなた
???






この侭、暫く解放して貰えず、甘やかされている事に全く気付かないあなたちゃんなのでした。














































4期PVを観て、ゴーゴリ君の全体的なカラーがあなたちゃんに似ていたので書きたくなりました。

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