第6話

5 凡ては計画通り
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2022/07/12 14:21





袋小路での戦闘を影で拝見した私が次に向かったのは、このヨコハマでの任務の内に拠点となる『死の家の鼠』の屋敷だ。
屋敷は広い雑木林の奥のまた奥にひっそりと佇んでいる。屋敷の扉を開けて、隠し仕掛けの地下階段を降りて行く。
イワン・ゴンチャロフ
イワン・ゴンチャロフ
お帰りなさいませ、あなたお嬢様
あなた
…イワン
地下階段を降りきった目の前に従事長のイワンが立っていた。
あなた
……ドス君は?
イワン・ゴンチャロフ
イワン・ゴンチャロフ
主様は自室で作戦の準備中です。そのかんのお嬢様の身の回りのお世話は凡て私が承る事になっております
あなた
ドス君の自室への出入りは?
イワン・ゴンチャロフ
イワン・ゴンチャロフ
『お嬢様以外』、固く禁じられております
あなた
そう…
先ずは…白虎の事に就いて報告しなければ。
あなた
早速ドス君に用がある、自室へ案内して
イワン・ゴンチャロフ
イワン・ゴンチャロフ
畏まりました
イワンにドス君の自室へ案内させる。その部屋は屋敷の一番奥にあった。
イワンが扉を三回ノックする。
イワン・ゴンチャロフ
イワン・ゴンチャロフ
フョードル様、あなたお嬢様がお帰りになられました
「入りなさい」と扉の向こう側から声がする。















あなた
ドス君
部屋に入ると、ドス君は中央にある執務机の椅子に座って大量の書類と睨めっこをしていた。私が声をかけると、椅子を回転させゆっくりと私の方を向いた。
フョードル・ドストエフスキー
フョードル・ドストエフスキー
あなた、お帰りなさい
あなた
…ただいま
フョードル・ドストエフスキー
フョードル・ドストエフスキー
骸砦むくろとりで以来のヨコハマの町はどうでしたか?
あなた
…特に何も
フョードル・ドストエフスキー
フョードル・ドストエフスキー
そうですか
フョードル・ドストエフスキー
フョードル・ドストエフスキー
では、探偵社偵察の報告をして下さい
あなた
…白虎の少年に逢った
あなた
今日は探偵社に正式に入社したみたいで、初仕事をする所を尾行した
そこから、袋小路でのポートマフィア構成員との戦闘、太宰が乱入して来た事を事細かに伝えた。
フョードル・ドストエフスキー
フョードル・ドストエフスキー
成程なるほど、太宰君が…
あなた
あ、それと…
フョードル・ドストエフスキー
フョードル・ドストエフスキー
何です?
あなた
白虎の少年に懸けた懸賞金七十億って、ドス君が仕組んだの?
私が問うた途端、ドス君は少し面食らったような顔をした。その表情に合点がいく。
あなた
あぁ、愚問だったね。質問を変える。今日一連の、私の周りで起きた出来事は、ドス君が凡て仕掛けた事じゃないの?
ドス君の顔は固まったまま。しかし、直ぐに表情を和らげ、何時もの感情の読みにくい笑みに戻った。
フョードル・ドストエフスキー
フョードル・ドストエフスキー
……流石ですねあなた、かつて太宰君と並びポートマフィア内の異端児と呼ばれただけあります
あなた
嬉しくない
フョードル・ドストエフスキー
フョードル・ドストエフスキー
ふふっ
あなた
それで、私が云った通りなのよね?
フョードル・ドストエフスキー
フョードル・ドストエフスキー
えぇ、凡てはぼくが細工したという事です
あなた
ふうん
矢っ張り、凡てドス君の計画通り。私があの「うずまき」と云う喫茶店に入店する事も、そこで探偵社の社員達と出くわし尾行する事も、七十億の懸賞金を狙ってポートマフィアが襲って来る事も、それによって必然的に私に白虎の少年を目撃する事も凡て。流石は魔人、と云った処か。
フョードル・ドストエフスキー
フョードル・ドストエフスキー
…ぼくが厭になりましたか?
あなた
……別に
あなた
まぁ、別の意味で良い性格してるとは思うけど
フョードル・ドストエフスキー
フョードル・ドストエフスキー
ふふ、そうですか
かの魔人は、私が云った事に対して不敵に笑う。






































********あとがき********




ここからの繋げ方が全く思い付かなかったのでここで切ります。
今回までの話の中でのドス君とあなたちゃんの会話を読んで、「いやどこが師弟関係だったり親代わりだったりやねん」とか思った人もいると思います。確かに、そう言われればそうです、としか言えないんですけど。私が思うドス君って、本当に信頼している相手には何も言わないと思うんですよ(主の勝手な偏見紛いなイメージです)。双黒(あの二人はもう熟年夫婦。あ、腐とかそういうのじゃないよ☆)みたいにお互いに険悪さ醸し出しておきながら信頼感半端ないとかそういうのと同じです。私もうそういう言葉にしない信頼的なのめっちゃ好きなんです。はい。それだけです。すみません。