第14話

会いたい pt4
2,585
2021/05/01 17:51
🐰side



時期に夜が開ける。


あなたがいなくなって何度目かの夜明け。


あとどれくらい想えば


あとどれくらい凍える夜数えれば


あなたに会えるのだろうか。


あの日から夜は寝付けなくなった。


どうしても寝付けない夜はあのコンビニへ向かう。


そしてコンビニで貴方が毎回買っていたスイーツを買う。


でも好みの味付けじゃなくて買っては冷蔵庫に入れるを繰り返している。


冷蔵庫はそのスイーツでパンパン。


今日はなんとなくそのスイーツが食べたくなった。


ベランダに出て月を見上げながらスイーツを口へ運ぶ。
ジョングク
ジョングク
好みじゃないな
独り言が余計俺を寂しくさせる。


前なら「そんな事言うなよ!美味しいだろ」と
横で笑ってくれる人がいたのに。
ジョングク
ジョングク
会いたい
言葉にすると余計に会いたい。


会いたい。


会いたい。


会いたい。


会いたい。


会いたい。


どうしてこの声は届かないの?


どうしてこんなにも会いたいのに会えないの……


どうして……積もる思い出はこんなに残っているのに…


どうして…どうして


「いつかね……作ってみたい曲があるんだ
armyもarmyじゃない人も辛い時に聞いて笑顔になれる曲
僕はひとりじゃないって……希望の曲!」


ふと思い出したのは数年前のジミニヒョンの言葉。


希望の曲……


自然と鼻歌で普段は絶対に作らないような曲を奏でていた。


ジミニヒョンを失ってから1度も歌わず、
BTSを辞めることすら考えていた俺なのに……


次々と知らない曲の歌詞が口から出てきた。


まるでジミニヒョンが作ったような


希望のような


そんな曲。


歌っている時だけはなんとなく心が暖かかった。


白黒だった世界に色がついてるような気がした。


傍に貴方がいるような気がした。



俺にとって貴方は希望だった。


希望を失っても人間は生きていかなくちゃいけない。


辛い世界だと思っていた。


酷い世界だと思っていた。


でも今は貴方の生きた世界は何故か美しいと思えた。
ジョングク
ジョングク
貴方を忘れないよ
俺の声と重なってジミニヒョンの声が聞こえた気がした。


そして俺の最後の涙が頬を伝って落ちた。


ーーー

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