第21話

どうして pt5
2,896
2021/06/26 17:57
懐かしい匂いがする。


大好きなあの人の匂い。


ジョングクという存在がありながら僕はまたテヒョンを思い出してるのか。


そんな自分を責めたが、これが夢などではないことに気づくのにそう時間はかからなかった。
ジミン
ジミン
…テヒョン
テヒョンは1度驚いた顔をしたが


優しく「愛してる」と呟いた。


なんで今更そんなことが言えるの?


僕は早くテヒョンを忘れようって


頑張って


頑張って


テヒョンは別に愛してる人がいたんじゃないの?


人を軽く見ないで


なのに……こんなにテヒョンのことを最低だと思っているのに突き放せない。


僕の手は自然とテヒョンの背中に回っていた。


駄目なことくらい分かってる。


それでも…
ジョングク
ジョングク
……ジミニヒョン…?
扉の前で初めて見るような顔をしているジョングクが立っていた。


次の瞬間ジョングクはテヒョンのことを殴った。
テテ
テテ
・・・
ジョングク
ジョングク
…何してるんですか……?
貴方がどれだけジミ二ヒョンを傷つけたと思ってるんですか?
テテ
テテ
……でも愛してるんだ
ジョングクの手がもう一度高く上がる。
ジミン
ジミン
…やめて
別にジョングクよりテヒョンがいいとかそういう思いで止めた訳じゃない。


ジョングクにこれ以上僕のせいで何も失って欲しくない。


ただそう思っただけ
ジョングク
ジョングク
……そうですよね…ジミニヒョンはテヒョニヒョンが好きなんですもんね
ジミン
ジミン
それは…っ
ジョングク
ジョングク
いいんですよ別に…俺が馬鹿だったんです。
ジミ二ヒョン付き合いたいとは言ってくれたけど1度も俺の事好きなんて言ってくれてませんでしたもんね
ジョングクは1度も振り返らず医務室を出ていった。


僕は泣くことしか出来なかった。


どっちを愛してるなんて今の僕には分からなかった。

プリ小説オーディオドラマ