第17話

どうして pt1
3,546
2021/05/31 07:52
僕にはじめてを沢山くれたテヒョン。


愛してる人とする甘いキスも


夜の営みも


全部が全部僕の初めてで。




-でも僕は今からテヒョンに振られに行く。




テヒョンと最後にキスをしたのはいつだろう。


テヒョンと最後に手を繋いだのはいつだろう。


もう何ヶ月も前の話しだ。


あんなに愛し合ってたのに。




今日久しぶりにテヒョンに部屋へ呼ばれた。


分かってるよ、別れ話だよね


テヒョンにはきっと今、別に想ってる人がいるんだよね。


僕はテヒョンの笑ってる顔が好きだよ。


テヒョンの幸せそうな顔を見るのが好きだよ。


その顔を僕が作れないのなら僕はちゃんと手を引く。


どんな話をされてもちゃんと泣かないで
笑って「今までありがとう」って言うよ。


テヒョンの部屋の前に立ち扉をゆっくり叩いた。


テヒョンがゆっくりと扉を開けてくれた。


前髪で目元が隠れている。


髭が少し生えてて服はトレーナーで気だるげ。


こういう所も愛してる。
ジミン
ジミン
用ってなに?
笑え。笑え僕。
テテ
テテ
…別れて欲しい
随分と直球だね


玄関で言わなくてもいいじゃん


ほら、「分かった」って「今までありがとう」って言え…
早く言え僕


…なんで口が動かないの?


なんで涙が出てくるの?
ジミン
ジミン
離さないって言ってくれたじゃん。
そんなこと言うな。
ジミン
ジミン
ずっと守るって…っ……
僕だけ信じて馬鹿みたい。
何を言ってるの僕は


こんなこと言う予定じゃなかったのに。
ジミン
ジミン
分かった…別れるよ…
でも最後に理由を教えて
理由なんて、愛がなくなった以外にないじゃん。


なんでわざわざ僕は自分を傷つけようとするの?


テヒョンは俯きながら顔を横に振った。
ジミン
ジミン
……最後くらいこっち見てよ
そういうところが嫌いだった。


嫌いで


嫌いで


大嫌いで


大好きだった。


僕は部屋を勢いよく出た。


でも扉の前で足を止めた。
ジミン
ジミン
馬鹿みたい僕…なんでテヒョンが出てくるのを待ってるの?
振られたのに、迎えに来てくれるんじゃないかって
どこかで期待して
ジョングク
ジョングク
ジミニヒョン…?どうしたんですか……?
ジミン
ジミン
…ジョングク……ははは…僕…振られちゃった
ジョングクが僕を強く抱き締めてくれた。


そして肩を支えられ僕の部屋に戻った。
ジミン
ジミン
ありがとう……もう大丈夫だから
ジョングク
ジョングク
何が大丈夫なんですか……それに…俺
ジョングク
ジョングク
俺、ジミニヒョンのことが好きです。
今は考えられないと思います。
だから一ヶ月だけ俺に時間をくれませんか?その間にジミニヒョンを惚れさせられなかったらきっぱり諦めますから
ジョングクは今週末の僕の予定だけを奪って部屋から出ていった。

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