ビョリは私の料理を美味しそうに頬張る。
この子料理ができないからね。かという私も簡単なものしか作らないけどさ?
ずっと外食ばかりじゃ、体に悪いじゃない。
そういってビョリはハムスターのようにぷっくりさせた頬っぺたで笑ってみせた
そんな挑発的なビョリの発言。
だから私は身を乗り出してこう返したの。
するとビョリの意地悪な笑顔で言われた
恥ずかしさを隠すように私はすぐに食器を片付けて、洗い物をした。
するとビョリが私を後ろから抱きしめた。
そういってビョリは私のほっぺにキスをした。
ビョリの綺麗な手とは裏腹に、乱暴にわたしの顔を掴んでキスしてみせた
ビョリの手が私の服の下にするすると入っていく
私はちょっとイラついて、ビョリの手を払い除けてしまった。
するとビョリはショックな顔で、そのまま拗ねてソファーに行ってしまった
そして座ったまま、私にも応えてくれず黙々とスマホをいじる。
やっと会えたのに、また喧嘩なの?
そんなの、いやだよ
そんな心ないビョリの冷たい言葉に私は傷ついて
気付いたら涙が流れていた。
洗い物もそのままほっぽって
ビョリは私の涙を手で拭いとると、さっきとは違う、優しいキスをくれた
私は甘えるように、ビョリの膝枕を要求する。
しばらく気まずい沈黙が続く。私は何も言わずにスマホをいじって、ビョリはスマホをいじりながらぽんぽんと頭を撫でたり髪の毛をいじる。
ピロン、ピロン、ピロン、ピロン
優しいビョリは時にいじわるでも、最後にはスマホを置いて私のことを撫でてくれた。
こういうところ。ほんと、私のビョリ王子だ。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。