第3話

第2話 君と 出会った日
2,579
2020/03/27 09:03
君に出会ったあの日を

私は今でも 鮮明 に 覚えてる 。
俺は 桃瀬 さとみ .

中学1年生 .



『 静かにしてればイケメン 』

なんて 多くの人から言われる

いわゆる 残念イケメン らしい .





そんな俺は

中学生の時


運命的な出会いをした .












陸上部 .

ま ,適当に 入って 適当に 部活して 適当に 勉強して …

なんて 思ってた .


… 君と出会うまでは .







さ 『 陸上部 に 入部した

1年の 桃瀬 さとみ です .』




イケメン .


なんて言われるほど

まぁ , カッコイイ . らしい .




まさか …



こう思われるなんて


思ってもいなかった .
あなた

よろしくね ッ !

さとみちゃん !!!

さ 『 … は ?? 』






そう君は …





俺の事を初対面で



「 ちゃん 」 付け


してきたんだよ .
その時



初めて気付いた











女顔 .

声変わり は まだ .

女の子っぽい 名前 .









俺は 女っぽいということに … .








それを 初めて 指摘されたのが きみ … .


だった .








まぁ 当時の俺は 当然 イラッときたわけで .
あなた

何かあったらこの私に なんでも 頼ってね !

さ 『 分かりました 

なんでも言いますね ♡ 』






当時の俺は

騙して遊んだろ .

とか 思ってたんだよね .








… けど 聞いちゃったんだ



君が 部室で 独り言を言ってるのを .
あなた

初めての後輩 …

あんなに 可愛い 後輩が 入ってくるなんて … !



絶対カッコイイ だって 思われたい … ッ


頑張るぞ !!!

さ 『 … 』










ガッツポーズ なんて しちゃってさ .


聞こえてんだよ . アホ先輩 .









そんなこんなで

部活にも 慣れてきた俺 .












ピーーーーー







「 今日はここまで ~ ッ


1年は ハードル の 片付けやっとけ ーーー 」











片付けね …


これを 体育倉庫に 運べばいいのか .





両手に ハードル を持つ .










… 体育倉庫 に 向かっていると ,

見えたのは 君の姿だった .
さ『 …  あなた先輩 ~ ! 』










ほら 君は

俺の事女の子と思ってる訳ですし


高い声を出して 話しかける



あなた

さとみちゃん!

わ! ハードル 沢山持ってて 偉いね … !








そりゃそうだ .

俺男だし (





片手に2個ずつ .

ま , 女子にしては 沢山持ってるのか … .










さ 『 でも … ちょっと持ちすぎちゃったみたいです .

やっぱ 女の子 の 私には 重たくて …










あなた先輩 , 代わりに運んでくれません ?

なんでも言ってって 言いましたよね ?』



あなた

心( さとみちゃん …

早速 先輩として 私を 頼ってくれるなんて … !! )

フッ , これで俺の仕事は 先輩 がやってくれるから 終わりだ … 










なんて思ってた





そうなるはずだったのに








君 が アホなせいで .
あなた

任せて !!!

秘技 !!

ハードル 8個 持ち で … !!!

そう言い出した瞬間


君は 俺の持っていた ハードル を 全て 持っていき , 片手に4個ずつ ,

いきなり 持ち出す.





… あほか .






そう思う暇もなく ,


あなた先輩は 重さにやられ

そのまま 足をひねらせ 倒れる .









… そこまで は いいんだけど …

いや良くないけど …









なんで 俺が 君を 運ぶはめになってんだよ …






あなた

ご ッ ごめんね さとみちゃん … !!!

何, マジ 頭おかしいの ??



いきなり 女の子 が 8個も ハードル 持って .



馬鹿じゃな…













って , 何

女の子

なんて 言ってんだろ .



あんなの 女子力 の 欠片 も ない , ただの 先輩だし … .


俺の方が女子力あるわ ((






結局その日は

俺が 君を 保健室に 運んだんだよ .


おんぶで .





… 覚えてる ??









あなた

おんぶなんて良かったのに …


ってか さとみちゃん

力持ちだね … !!!

って , おんぶされながら言ってたっけ . 





さ 『 気にしないでくださ~ い . 』









… チッ .




それもこれも …








あなた先輩 が バカ なせいだよ …














後日。







「 あ , 桃瀬 .

グラウンドの 水撒き お願いしてもいいか ?? 」






… 俺ですか .






さ 『 あ , は ~ い 』














どこからやろう …


てか ホース どこだし .

今日寒いのに 嫌だわ …














…ん?












あれ …





あなた先輩 … ??









さ 『 … あなた先輩 ? 』








君は 水撒き を していた .

グラウンドの .



任されたのは俺なのに …


なんで …
あなた

… あ , さとみちゃん ~

もしかして グラウンド係 ?


私こっちやるから ,

さとみちゃんあっちお願いね ~ !

… きっと頼まれてないのに




君は 自主的に やっていたんだ .






… そーゆーとこ …ほんと …















多分 ,

この頃からだったんだろうな … .








てか そうだ …

なに 見てんだよ俺 .





フッ …

こき使ってやろ .






さ 『あの その事なんですけど ~ …

私 … , 冷え性なので 水とかいじりたくなくてぇ ~







あなた先輩 , やっといてくれません ??』






うるっ と 目を 輝かせ ,

ちゃっかり 上目遣い をする










あなた

… ふっ , いいよ !!!

なんて あっさり OK をして ,

ぐいっと ホースを 持っていく .




… この人 , 簡単に詐欺とか 合いそうだな …




なんて 思っていた次の瞬間だった













ブシュァァア !!!












!?














ホース は 途中で 石に ぶつかったらしく ,

プツン と 一部分 が 切れる .


すると 瞬く間に 水が弾け飛ぶ .





あなた先輩に … 的中した .
さ 『 … え … ッ 』




ポタ…


ポタ…














ほんっと ポンコツ .







はぁ


なんて溜め息を着くと

君は 一目散に こう言い放った .
あなた

ご … ごめん さとみちゃん!




水かかってない !?

… 驚いた .







なにそれ

なんで 俺の心配してんだよ


自分の心配 だろ まず .




ほんとに … あほ … .











!?










返答する間に ,


俺は 見てしまった .















あなた先輩



下着透けてるし !!!!












バサッ












さ 『 着てください . 』













そんなん見たの …

初めてで …





その時の俺には

刺激が強すぎた ‪w










君は 何も分からないような顔をして 上着を受け取る .
あなた

え !?

でも さとみちゃん 冷え性 なんじゃ … !?

それに 私の 分の 水撒きまで …!!!

… うるさい .


なんでだ…


か弱い女のフリして

色々 押し付けようと思ったのに .







全然 上手くいかない …




君が

先輩のくせに ポンコツ すぎるせいだって .


今なら 十分 分かる .











… かっこつけてるくせに .
あなた

さとみちゃんてさ …


すっごく 美少女 なのに

なんか 男らしいよね

ギクッッッ








え , ば バレて … !?
あなた



さとみちゃん が 男の子だったら

絶対好きになっちゃう!

ドキッ …













さ 『 … ッ , 』








なにも

言えなかった .








俺が男だって

バレそうになったからじゃない .







何故かわかんない




胸が ドキドキ した .


初めての感覚だった .





今まで感じたことない …










さ 『 … あなた先輩 … おれ … ! 』













「 あ ~ , いたいた .






桃瀬 さとみ . 」












… え?







2人で 振り向くと



そこには 3年の男子


3… 4人 ? だったかな .


立ってたんだよな .












「 てめ ー 人の 女に

手出してんじゃねぇよ ! 」









とか言ってたっけ .



知るか .








だが 相手は 3年 .


話が通じるような 人 じゃなかった .









さ 『 …はい ??


なんのことですか ? 』





勿論 その話に 身に覚えは一切なかった .






けど 覚えていたのは




君の反応 .












びっくりして

肩が跳ね上がって .




かっこつけてるくせに






ビビって 急に 後ろに下がりだして .







「 とぼけてんじゃねぇよ!!



ちょっと女子に 騒がれてるからって

調子に乗りやがって !!! 」













… .








あなた

?? ,


… あ あのぉ おち … 落ち着いて … !!! 泣

ガタガタ 震えて .


ただの 3年生ごときに .







ポンコツ な上 ビビり .









ほんと , 全く 魅力を 感じない .







さ 『 … 先輩 こんなヤツら

相手にしなくていーですよ . 』








そういった途端 .






俺は 胸倉 を 捕まれ ,



ひんむいた 目付きで 睨まれた .






「 んだとオルァ!!! 」










… はぁ .






あなた先輩逃げて … .









と 薄々言おうとして

君の方を 向く .






















その時は



もう








遅かった .










バキィ!!!!









… え?
あなた

私の後輩に





なにすんの !!!!!

… 涙目で


さっきまで 震えてた



あなた先輩は






気づいたら 俺の目の前で



3年 の 男子を 殴っていた .















俺が 胸倉 を 掴まれた瞬間 .


覚醒するかのように

放った一言 .

















ほら2度目 .







胸が締め付けられる



感覚に陥った .














ま , それよりも

その時は 驚きの方が 大きかったが .













まぁ , 2年の女子 の 殴りで 諦める 3年男子 では なく .





すぐに 男子は あなた先輩を 押し倒す .




「 いってぇなぁ!!! 」















… 俺は

驚きとともに 見ていることしか出来なかった .






あなた

さとみちゃんに触んないでよぉ … !!!

押し返すあなた先輩 .











3年も


「おわっ」


なんて 声を漏らして 倒れる .








俺から見れば本当に



泥仕合だった .














「っこの … !!!」








3年 は 思い切り 手を振りあげる .











3年男子が 2年女子に 平手打ちかよ .








…さすがに

それを 見てるだけ が 出来るほど


俺は 女の子ではなかった .
















ドカッ !!!


















これでも ,


男です .













俺は 散々


3年男子 を ボコボコ にしたっけ .





「 いたい 」

とか

「 やめろ !!! 」


なんて


涙目で 言ってたっけ .









3年男子 が 1年男子に そんなこと 言うなんて


かっこ悪 .






… 最後にこれだけ


伝えてやるよ .








グイッ













俺は 3年男子の 胸倉 を 掴むと ,



















ほんとに 小声でね




君に聞こえない程度に









さ 『 次あの人に なんかしたら ぶっ殺す から 』














そう放った .







したら 3年男子 は

懲りて 帰っていったんだっけな .


懐かしいわ .










まぁ ,


これで あなた先輩 にも

俺が 女ではないこと

やっと分かってくれた .
あなた

… さ , さとみちゃん …!!!


まさか … !?

さ 『  …あは , バレちゃった .』
あなた

少林寺拳法の使い手 … !?!?

さ 『 … 。』









… そうだ …


この先輩 … アホなんだ …



























さ 『 ってな訳ですよ ~


覚えてますか?? あなた先輩 』
あなた

いや覚えてるわ!!

てか最初から男子って言ってくれればいいじゃん!!



入学当初の さとみクン めっちゃ幼かったんだもん!!!





さ 『 ふ … 懐かしいわ ‪w


あの時は ビックリしましたよ …



世の中に こんっっな アホな先輩が いるんだって … ! 』










俺はいつもの通り

君を 馬鹿にする 発言をする
あなた

…くっ … !!

まさか こんな 悪魔のような後輩だったとは … !


あのとき 怖い先輩たち と 組んで

さとみクン を 倒せばよかった … !!!

★ 本当の敵は さとみクン だった ★



回想

さ 『 ば ~ か 男でした ~』


貴方 『 はぁぁ !?!? 』











あなた

私はただカッコイイ先輩になりたかっただけなのに …





さ『… かっこよかったですよ .

あの時だけは .』


















あなた先輩 の 発言を聞いて

自然と口から 出た 言葉だった .














… 本当のこと .




ま , 一生言ってやらないけど .




あなた

さとみクン は 嘘つきだからもう信じない …

… .


嘘つき ね … .










俺は 満を持して 聞く .









さ 『 ねぇ あなた先輩 .』












こっち を みる あなた先輩 .



… ほんとバカ。










さ 『 … 俺の事




まだ 女の子に見える ? 』












あなた

あなた

… もう


男子にしか見えないよ .

全然可愛くない



と 付け足して 言う .













… へぇ









男子にしか見えない . ね …































“ 私


さとみちゃん が 男の子だったら




絶対好きになっちゃう ! ”

























( ポソッ





さ 『 … 全然 好きになってくんないじゃん .』










さ 『 … やっぱ あなた先輩のほーが 嘘つき ですよ .』












あなた

… ?

ここまで言っても







わかんない顔して .


とぼけた顔して .










… 絶対 俺






好きにさせてみせるから .

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