attention
・この小説は作者の自己解釈です
・専門知識など全然ありません
それでもいいよって方はGo↓
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こうも簡単に今までの幸せな時間は崩れていってしまうものなのか
あんなに確かだったものは
まるで硝子のように砕け散ってしまうのか
白い壁に囲まれた相談室の中
志麻は目を見開いていた
淡々と繰り出される絶望的な言葉に、口を開くことしかできなかった
開きっぱなしで渇ききった
志麻の口から絞り出されたその声はとても小さかった。
相談室から病室への道のりはとても長いように感じられた
「信じられない」という思いだけが脳内を
駆け巡り、ちゃんと歩けているのかすらも志麻にはわからなかった。
病室のドアを開けると、
そこにはいつもと変わらない様子の奈緒
がいた。
ハッと志麻は顔を上げた。目線の先には
場違いなほどの笑顔があった。
志麻は唇を噛み、奈緒から目を逸らした
もう一度目を合わせれば、眉を下げ、
困ったように奈緒が見つめていた。
これでは立場が逆みたいだ。
志麻は決意し、重い口を開いた。
言い出したそばから志麻の目が潤んだ
志麻の目から止めどなく溢れる涙が、
履いているスキニーを染めていく。
自分が癌だと告げられたというのに、
いつも通りの声色で優しく言った。
Followed by a two-story
(二話に続く)
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。