urt side
さ「うらさん……」
坂田の手が離れた、それでも恐怖で流れる涙が止まらず、拭うことも諦めた
坂田今どんな顔してんだろ
幻滅してんだろうな、もう一緒に…居られないだろうな
そう思うとさらに涙が溢れる
さ「うらさんっ…!」
名前を呼ばれた次の瞬間、何かに包み込まれた
目の前は
俺が一番好きな匂い
俺が一番大好きな人
なのに、
う「ひっ…」
怖い
逃げたい
さっきみたいに抵抗出来ない
体が震えてくる
う「さ、かた…だめ……」
震える手で押してみるものの自分より体格の大きい坂田をそんな弱っちい力で押し返せるはずもない
きっと俺が押そうとしてるのは気づいてる、でも坂田は優しく俺を抱きしめたまま離れてくれない
さ「ねぇ、うらさん。」
う「っなに…」
さ「俺は違うよ」
う「は…?」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。