第4話

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2019/03/26 06:24
う「違う、ごめん…ごめんほんと…違うんだよ…」

「違う」と「ごめん」しか言わない彼に俺はどうしたらいいのか分からなかった

さ「なんで謝るん?理由がわからへんよ……触られるの嫌やったら俺うらたさんに涙拭いてあげることも出来ひんし…」

思いつく限りの言葉を投げかけても尚涙を流し続ける彼を泣き止ませる方法も分からなかった
ただ自分の思いを伝えることしか今は出来ない気がした

さ「うらたさん…話して?原因あるんやろ?」
う「言いたくない…」
さ「なんで?」
う「…坂田に引かれる…」
さ「うらたさんのこと引くわけない、全部ちゃんと受け止めるから」
う「でも怖いんだよ…」
さ「俺たとえうらたさんが人殺したとしても刑務所入ったとしても嫌わない自信あるで、嘘じゃないよ…これでもまだ無理?」

そう言うとゆっくりと顔を上げ不安げな目で俺の方を見て呟いた

う「……俺さ…坂田のこと、好きだよ」
さ「うん」
う「だからどうしても嫌われたくなかった…」
さ「うん」
う「…嫌わないで」
さ「絶対大丈夫」

まだ震え声で涙目ではあったが流れる涙は止まっていて、覚悟が決まったようだ

う「…俺ね、」

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