第8話

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2019/04/27 01:28
「いっ…やだ、やだやだ離して!!むりだからあ!」

俺の手を振りほどこうと必死で抵抗する
腕を強く掴んだまま話し続ける

さ「なんでそんな抵抗するん?」

レイプされた
でもそのことが触らせてくれない理由とどうしても結びつかなかった
真っ直ぐに彼を見据えながら聞くとやっと聞こえるくらいの声で答えが返ってきた

う「こわいっ…思い出す…ぃやだ…」

聞いて、やっとわかった

さ「フラッシュバック…ちゅうこと?」

そう問うと弱々しく頷く
きっと俺が触れることによってトラウマになった情景を再び思い出してしまうのだ
掴んだ彼の腕を見ると手が震えていた
どれだけの怖い思いをしたのだろう
実際に体験した本人にしかわからない、それはそれは計り知れないものだろう
そっと手を離す

さ「うらさん……」

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