俺は家に帰った
勿論雑魚共もいる訳で…
煩い
ウザい
鬱陶しい
放っておいてくれ
俺はそう答えると部屋に行った
………リビングが騒がしかった事など知らん
マスクとグローブを手に取り俺はまた家を出た
向かうのは今回の集合場所
宿儺の後に悠二は居なかった
大方置いてきたんだろう
ウザ…
コイツ本当に最年長か?
喧しい………
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今日もあなたは出かけてしまった
俺達の下らない反抗であなたを傷付けた
俺達はあなたの事が大好き
それはずっと変わらない
けど、それが茶化されるのは嫌だった
だからあなたをぞんざいに扱った
あなたが傷付くより俺等の気持ちを優先し過ぎた
あなたを避けるようになってから1ヶ月後、それ以来俺達は同じ夢を見る
幼いあなたが暗闇の中泣いてる夢
毎日、毎日、毎日泣いてるあなたの夢を見た
とある日をきっかけにあなたは夢の中で泣かなくなった
うざったらしい泣き声が聞こえなくなって俺達は安堵していた
けど泣かなくなったと同時にどこか暗闇の中を歩き始めた
日に日に成長していた夢の中のあなたと現実のあなたはリンクしていた
夢であなたが泣かなくなった時から現実のあなたも変わった
良く傷を作るようになった
俺達に目を向けなくなった
帰りが遅くなった
俺達を見る時の目が家族を見るときのそれでは無くなった
あなたと明は一番が仲良かった
俺達の中でも最後まであなたと話していたのが明だったから
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!