トランクスside
たまたまシェルターにいた時だった。マイが慌てた様子で走ってきた。何があったのかと思い話を聞いてみれば……あなたさんがいないと言うではないか!
いつまたブラック達が現れるか分からないこの状況下、1人でどこかへ行ってしまったと言うのか…!?もしブラックに遭遇したらどうするって言うんだ…!危険過ぎる!!
すぐにシェルターを飛び出して気を探ろうと構えたが、よく考えたらあなたさんは地球人だから、案の定気が弱すぎて探れなかった。そうなれば、この広範囲を探し回るしかない、のか…!?
しかしここはあまりにも広過ぎる。こんな広大な場所で人間を1人探すなど不可能に近い。兎に角近場にいる可能性を考慮してそこら辺をウロウロと探し回っていた時だった。誰かの走る足音が聞こえて来た。
どこからだと思い周囲を見回した時…向こうからあなたさんが急いで走って来ているのが見えた。俺はあなたさんの名前を叫んで手を振った。
しかしその直後、あなたさんも口からとんでもないセリフが飛び出した!
その瞬間、脳内に稲妻が走るほどの衝撃を受けた。ブラックに会ったとか言わなかったか…!?
すぐにでも倒さなければならないと思った俺は、動揺していたのもあってまるで質問攻めのようなことをしてしまった。あなたさんもこれには「質問多すぎ」と困惑してしまっている。
申し訳ないと思いつつも、俺は兎に角あなたさんの言っていた方向に向かってみることにした。その前に父さん達にも声をかけた。
そう話しながらも、あなたさんの言っていた方に飛んでいた時だった。背後に気配を感じた俺達は瞬時に後ろを向いた。この気配は間違いない…!!
普段だったら戦いに発展していたはずなのに、なぜか俺を静止したブラック。聞きたいことがあるとは言っても、アイツが態々俺に聞くようなことなんてあるのか?
もしかしたら、隙を生み出すための工作なのかもしれない。警戒して何も言わずに構えだけ取っていると、ブラックはスッと俺に近付いて言った。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。