あなたside
それからまた暫くした。俺達は依然ブラックとザマスの脅威に怯えながら暮らしている。
あーあ、学校帰りに友達とカラオケ寄ったりしてた俺の青春、こんな所で終わりかよ…。アイツらのせいで台無しだ。本当だったら今頃友達と一緒にどっか寄り道してただろうに。
今やその友達と連絡すらつかない。まさかもう…なんて考えに至ってしまうが、アイツはきっとあんな奴らにやられたりなんてしないだろう。そう信じている。
なんだこの人、最初感じ悪いと思ってたけど…全然面白い人やん。この前のあの言動はなんだったの?まあきっとトランクスから色々教えてもらったんだろうな。
にしてもなぁ〜…やっぱこんな所にずっといたらマジでイカレるんだっつの…。ここに一緒にいる人達に当たるなんて論外だし。でもトランクス達に当たることも道徳的に考えて無理だ。
やっぱり俺が今当たれるのはゴミ箱しかいない←
でもなぁ…目の前のこの人の言うことには一理ある。あの時は本当に運良くブラックから逃げることができたんだってことは勿論分かってる。あんなバケモンみたいな奴から逃げるなんて基本不可能なんだ。
だけど!ソイツらに怯えながらトランクス達が倒してくれる時を待つなんて俺は不満だ!!トランクス達に任せっきりにしているのも嫌だし、何より俺達が一矢報いることすらできないのもムカつく!!
パパはそう言って俺の頭を撫でてくれた。なんだよパパ、めっちゃ優しいじゃねーかよ!!()
誰かに頭を撫でてもらうなんて久し振りだったから、俺は完全に落ち着いてしまった。パパが止めてくれなかったら、俺は今頃ゴミ箱に八つ当たりしに外に出て死んでいたかもしれない。
もうブラックには顔見られてるし、遠目に見られるだけでもヤバかっただろう。そう考えて、冷静に止めてくれたパパには感謝しないといけないなと思った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!