第10話

良いパパ
633
2023/02/15 11:53
あなたside

それからまた暫くした。俺達は依然ブラックとザマスの脅威に怯えながら暮らしている。



あーあ、学校帰りに友達とカラオケ寄ったりしてた俺の青春、こんな所で終わりかよ…。アイツらのせいで台無しだ。本当だったら今頃友達と一緒にどっか寄り道してただろうに。



今やその友達と連絡すらつかない。まさかもう…なんて考えに至ってしまうが、アイツはきっとあんな奴らにやられたりなんてしないだろう。そう信じている。
あなた
あー、なんか誰でも良いからゴミ箱ぶつけたいな〜←
ベジータ
やめとけ、今度こそ死ぬぞ
あなた
おやッ!あなたはトランクスのパパーン!
ベジータ
な、なんだパパーンとは…。
あなた
俺今めっちゃムカついてるんだけど、なんかゴミ箱当てる丁度いいサンドバッグっていたりしない?(無視)
ベジータ
ブラックかザマスだな、だからやめろと言っているんだ
あなた
えー
なんだこの人、最初感じ悪いと思ってたけど…全然面白い人やん。この前のあの言動はなんだったの?まあきっとトランクスから色々教えてもらったんだろうな。



にしてもなぁ〜…やっぱこんな所にずっといたらマジでイカレるんだっつの…。ここに一緒にいる人達に当たるなんて論外だし。でもトランクス達に当たることも道徳的に考えて無理だ。



やっぱり俺が今当たれるのはゴミ箱しかいない←



でもなぁ…目の前のこの人の言うことには一理ある。あの時は本当に運良くブラックから逃げることができたんだってことは勿論分かってる。あんなバケモンみたいな奴から逃げるなんて基本不可能なんだ。



だけど!ソイツらに怯えながらトランクス達が倒してくれる時を待つなんて俺は不満だ!!トランクス達に任せっきりにしているのも嫌だし、何より俺達が一矢報いることすらできないのもムカつく!!
あなた
あー、ブラックとザマスの顔面10発は殴りたいなー
ベジータ
視界に入った時点で死ぬのがオチだろうな
あなた
それでも俺は抵抗するで
ベジータ
拳で
あなた
意外とノリ良くて草、もうイライラしないよありがとうパパ
ベジータ
俺は貴様の父親ではない、パパなどと呼ぶな
あなた
えー、良いじゃんパパ!生憎俺今本当のパパと連絡つかないんだよ
ベジータ
………そうか
パパはそう言って俺の頭を撫でてくれた。なんだよパパ、めっちゃ優しいじゃねーかよ!!()



誰かに頭を撫でてもらうなんて久し振りだったから、俺は完全に落ち着いてしまった。パパが止めてくれなかったら、俺は今頃ゴミ箱に八つ当たりしに外に出て死んでいたかもしれない。



もうブラックには顔見られてるし、遠目に見られるだけでもヤバかっただろう。そう考えて、冷静に止めてくれたパパには感謝しないといけないなと思った。

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