第5話

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2020/10/19 08:49
しばらく眠って目を覚ますと、体はだいぶ軽くなっていた。
まだ手に温もりを感じるってことは、京治がずっと手握っててくれたのかな。
赤葦 京治
赤葦 京治
目、覚めた?
木兎 光太郎
木兎 光太郎
ん…今覚めたとこ…
赤葦 京治
赤葦 京治
体調どう?
木兎 光太郎
木兎 光太郎
体は軽くなった…
赤葦 京治
赤葦 京治
熱、計って
木兎 光太郎
木兎 光太郎
うん…
少しでも下がってますように、という願いで体温計を挟む。
しばらくして、ピピピッと言う音がなり、京治に体温計を手渡す。
木兎 光太郎
木兎 光太郎
何度…?
赤葦 京治
赤葦 京治
37.8℃、さっきより下がりましたね
木兎 光太郎
木兎 光太郎
良かった…
赤葦 京治
赤葦 京治
じゃあ、俺はお粥作ってくるね
木兎 光太郎
木兎 光太郎
お粥いらない…
赤葦 京治
赤葦 京治
お粥食べて薬飲んで寝て
木兎 光太郎
木兎 光太郎
薬も飲みたくない…
赤葦 京治
赤葦 京治
薬飲まないと良くならないよ?
木兎 光太郎
木兎 光太郎
だって苦いじゃん、あれ
赤葦 京治
赤葦 京治
苦いから、効くんだよ
木兎 光太郎
木兎 光太郎
飲みたくない〜…
赤葦 京治
赤葦 京治
光ちゃん
木兎 光太郎
木兎 光太郎
なぁに?
京治に呼ばれて顔を上げると、急に唇を奪われた。
いつも通りの、ぷにぷにで柔らかい唇。
俺は京治のキスが大好きで、一度キスしたら止まらなくなるんだよね。
赤葦 京治
赤葦 京治
チュッ…クチュッ…
木兎 光太郎
木兎 光太郎
ンッ…ハァッ…
赤葦 京治
赤葦 京治
クチュッ…クチュッ…
木兎 光太郎
木兎 光太郎
ンンッ…くるし…
俺がそう呟けば、ゆっくりと離れていく唇。
京治は割とガンガン攻めて来るけど、俺が嫌だって言ったらやめる。
とにかく、俺のことを気にかけてくれるのだ。
木兎 光太郎
木兎 光太郎
京治、もう終わり…?
赤葦 京治
赤葦 京治
さすがに風邪貰う訳にはいかないから
木兎 光太郎
木兎 光太郎
でも、もっとキスしたい…
赤葦 京治
赤葦 京治
光ちゃんは治るの早いから、薬飲めば明日には好きなだけできるよ
クソッ、まんまと嵌められたって訳か。
そう言って微笑む京治に、俺は何も言えなくなった。
そして、大人しくお粥を食べて薬を飲んで眠った。

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