第27話

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2020/11/06 14:34
赤葦 side
ようやく眠りについた光ちゃんの頭を撫でながら癒されていると、急にスマホが鳴った。
ディスプレイを見てみると、そこにはモブ子の名前が。
面倒くさいな、と思いつつ電話に出ると急に泣き始めた。
モブ子
モブ子
赤葦くんっ…グスッ…
赤葦 京治
赤葦 京治
なんですか、こんな夜中に
モブ子
モブ子
お願い、今すぐ会社に来て…
トラブルが…グスッ…
赤葦 京治
赤葦 京治
行けるわけないでしょ
モブ子
モブ子
お願いしますぅ…グスッ…グスッ…
赤葦 京治
赤葦 京治
トラブルの度に俺呼び出すのやめて
モブ子
モブ子
頼れる人赤葦くんしかいなくてぇ…
あー、ほんとに面倒くさい。
久しぶりに光ちゃん寝れたみたいだし、傍にいてあげたいんですけど。
夜中に体調悪くなっても励ましてあげられるように、できることならずっと傍にいたい。
ていうかあの女、男を会社に呼び出しては手を出してるみたいだし、行かなくていっか。
赤葦 京治
赤葦 京治
とにかく、俺は行かないから
モブ子
モブ子
じゃあ、課長に言いつけるからね…
赤葦 京治
赤葦 京治
言いつけてどうするの?
モブ子
モブ子
赤葦くんクビにしてもらう
赤葦 京治
赤葦 京治
はぁ…別にクビになってもいいよ
俺はそう言って電話を切った。
光ちゃん起こしたくないし、俺も早く寝ないと。
木兎 光太郎
木兎 光太郎
京治…電話…?
赤葦 京治
赤葦 京治
ごめん、起こしたよね
木兎 光太郎
木兎 光太郎
大丈夫だけど…どうしたの…?
赤葦 京治
赤葦 京治
仕事の電話きた
だけど、大丈夫だから安心して寝ていいからね
木兎 光太郎
木兎 光太郎
ん…おやすみ…
赤葦 京治
赤葦 京治
おやすみ…ゆっくり寝てね
そう呟いて、俺は光ちゃんを抱きしめたまま眠りについた。
次の日、本当にクビになっているなんて知らずに。

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