第4話

問い
58
2020/03/18 02:15
零斗
あー、…疲れた。
第一声が昨日と同じことにさえ気づかないまま、俺はベッドに倒れ込む。

行動すら昨日をなぞっているようだが、この疲れの原因は全く違うものだ。
零斗
…んー
布団に倒れ伏したまま、俺は改めてポケットの中を確認する。
零斗
ハンカチ、だよな…
入れた覚えのないものは鞄の中だけでなく、ポケットの中にまで進出していた。
普段俺はハンカチなんて持っていかない。

いや、不衛生だとか不潔だとか言いたくなるのは分かる。

だけど、それだけ今まで女子力の欠片もなかった俺だからこそ、この変化に伴う違和感が大きいんだ。


それもやたら可愛い女物だし。
零斗
あーもう、よく分かんねぇ…
零斗
いいや、寝よう。
この事について考え続けていたら自分がおかしくなるような気がして、俺は思考を放棄した。
目を閉じ、穏やかな夢の国へ…




――そういえば、変な男に能力貰ったのも夢だったな。
そう思い、眠るのをやめようとした時にはもう手遅れだった。




意識が、水の中に沈んでいく。
゜゜゜゜゜゜゜゜゜゜゜゜゜゜゜゜゜゜゜゜゜゜゜゜゜゜゜゜゜゜゜゜
謎の人
零斗さん。また来てくれて嬉しいですよ。
零斗
お前に会いに来たんじゃないから。
意識が戻ると、そこには案の定あの時の男がいた。

黒い帽子に黒いコート。やっぱもう1回見ても怪しい。
零斗
…っていうかなんだよ!『女子力』って!
零斗
地味にきついわ!
謎の人
ふふふ…喜んでもらえたみたいで良かったです。
俺が喜んでいるように見えるか、ならあんた相当の馬鹿だ。
零斗
で、まだ俺になにかご用で?
謎の人
えーっと、なんだったかな…
なんか前もこの人用件忘れてた気がする。
謎の人
……そう!
謎の人
あなたにひとつ質問をしたいと思っていました。
零斗
質問…?
零斗
なんだよ。
俺が聞き返すと、男は己の頭に手をやり、その帽子を取った。

その下に見えた"目"は――
零斗
―――っ!?





―――その"目"は、全てが赤く染まっていて。
男はその瞳で俺を真っ直ぐ見つめ、こう言った。
























『今と過去、君はどっちを選ぶ?』と―――。



fin.

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