22歳の春
……ここか
警察学校の門をくぐった
入学式ではじいさんの長い話を聞き流し、真希と真依の事を考えていた
禅院家の奴らは、私が家を出て警察になるのを許す代わり、京都の呪術高専に通うという条件を提示した
(意味が分からねぇ…)
私を京都の高専に通わせて何の意味がある
(結局は私への嫌がらせ…か?)
……
その線が一番濃厚な訳だが…
そんの嫌がらせをするのは
(私が“天与呪縛”で“落ちこぼれ”)
(だからか……?)
だとしたら
ッ……
今頃真希と真依は…!
クソ野郎共…
い!おい!
あ?
もう入学式は終わったぞ
……そうか
ありがとな
君ずっと何か考え事してただろ
入学式の話は聞いてたのか?
いや、聞いてねぇ
なっ…!
……家族の心配してて悪りぃかよ
!……いや
だが入学式に考えることなのか、それは
……まぁそれはそうかもな
お前名前は?
目の前にいるのは金髪で色黒な男
僕は降谷零
君は?
禅院あなた
苗字で呼ぶな
苗字で…?
嫌いなんだよ、この苗字
…そうか
(人の事情を無神経に突き回すのも良くないよな……)
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。