私はnqrseと別れた後、そのままお兄ちゃんの家に帰った。
ったく!nqrseは。その気もないくせにあんな事しやがって……。
今度あったら仕返ししてやる。
大きな声を出しても返事がない。
あ、そうだ。まふまふさんが防音室って言ってたっけ?
時計を見てみればもう6時。お腹も空き始めた。
何か食べようと冷蔵庫開けたものの全然入っていない。私とほとんど同じ((
防音室がどこにあるかは知らないがとにかくある部屋を当ってみることにした。
ガチャ
いない。
ここにはたくさんのスライムのクッションや、色々な種類のゲーム機がある。
違う違う。お兄ちゃんを探さねば。
あとは。…この、ちょっとゴツめの大きいドア。
開けにくーい。なんか、凄そうだもん。
ドアノブに手を掛け、そーっと開ける。
開けるとそこにはマイクに向かって歌う兄とヘッドホンをつけてパソコンを巧みに使うまふまふさんがいた。
凄。
お兄ちゃんの歌は聞いたこと無かったが、今聞いてみてとても優しい、お兄ちゃんらしい歌声だと思った。
お兄ちゃんが私に気づく。
ちょっと驚いたようだった。
しかし、直ぐに手でちょっと待っててというサインをつくる。
まふまふさんとお兄ちゃんが腕時計を確認する。
どんだけ集中力凄いの、この人達。
あ、知らなかったのか、と私に頷く。
いや、知りませんよ。聞いていませんって。
2人が顔を見合わせる。
だめなのか?
私の安堵の声を聞くと、2人は謎マークを頭に浮かばせながら顔を見合わせる。
無邪気に笑う2人。
お兄ちゃんは勿論だけどまふまふさんも一緒にいるとすごく楽しい…。
ゲームは弱いけど((((
間抜けな声を出して驚いていたが、これで少しは距離縮んだかな?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。