プルルルルルル プルルルルルル
1台の携帯に向け、大のふたりが喧嘩腰に話しかける。
そして何故か私は正座させられているという………………
…………は?
しどろもどろとするさかたんの声が携帯から聞こえる。
思い出した。
お兄ちゃんに知られるとめんどくさい事になると言われているから、俺と友達なのは黙っとけって。。。。
何故、さかたんが怒られる羽目にあわなきゃいけないのか意味が分からず、お兄ちゃんを睨みつける。
視線をあちこちに泳がす。
すると、「はぁ。」とため息をついて下を向きながらあぐらをかく。
年頃……?
意味がわかり、私は顔を赤くする。
机を「バン!」と叩き、身を乗り出してそう2人に訴えかける。
キツめの目でお兄ちゃんを見る。
「うっ。」と声を漏らすが、そんなことは関係ない。
「ふふん」と誇らしげに言う。
目を大きく見開いてびっくりするまふさん。
凄いでしょと見せつけるように髪をかきあげ、女優のようになびかせる。
ポカンと口を開けてこちらを見ている。
乱暴に机の上にある携帯をとる。
「ちょ!あなた!」と声が聞こえるが無視無視。
さかたんの声が聞こえるとプツッとあちら側から切られる。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。