第8話

#6 そらるside
15,779
2019/11/23 01:31
……。…!……。
あなた
あなた
ん。
ゲームが盛り上がってきたところであなたが寝返りを起こす。
少し声が大きすぎたかもしれない。
ボリュームを気持ち少し下げた後、ゲーム画面に目をやる。
すると、ふと目に入ったコメント欄。
あ、やべ。



@hhh

今、女の子の声した!?

@gggg

あれ、女の人?

@rrrt

なんか「ん。」って聞こえた!
あの、ほんの微かな声でさえ聞こえてしまうリスナーさん、凄い。
まあ、前放送で言ったからいいか。

言っても。
そらる
そらる
あー、なんか女の人の声聞こえてたみたいだけど俺の妹。
そらる
そらる
今寝てるから俺、声小さいかも。


@aaa

そうなんですか!

@bbb

仲、いいですね( ﹡・ᴗ・ )

@ccc

前、生放送で言ってましたね!


おお。荒れてない。

良かった、良かった。
そんなことを思ってるうちにラスボスを倒した俺。
そらる
そらる
やったー!
クリアして、つい大声で叫んでしまった。


@jjj

そらるさん、声!声!www

@ttt

そらるさーん!w

@uuu

www
あなた
あなた
…うるさい。
そらる
そらる
いたっ。
後ろからクッションを投げられた。
首にあたって少し痛む。



@www

妹さん…www
@ppp

大丈夫ですかwww
そらる
そらる
んー。首が痛いや。
@ooo

ピッチャーの才能あり(

@vvv

寝ぼけてやったんですか?www

@fff

微笑ましいわ





それから少しばかり今日のゲームについての雑談をした。
そらる
そらる
まあ、いいや。

ゲームクリア〜!ということでここまでにしよっか、配信。

じゃねー。
そう言って配信を切った。
時計を見ると9時になっていた。
そろそろ起こしてお風呂に入らせようと思い、あなたを起こす。
そらる
そらる
おーい、9時だぞ。お風呂入って今日は寝よ。
ソファーに顔を突っ伏しながら寝てるあなたを揺らしながら言う。
あなた
あなた
ん〜。眠い、…。
そらる
そらる
お風呂入ってから寝てこい。
あなたにかかってる毛布をとる。
それに観念したのかあなたが体を起こす。
あなた
あなた
はいはい、行きますよー。
伸びをしながら立ち上がり、持ってきたキャリーケースをおもむろに開ける。
そらる
そらる
お前、パンパンに入ってるな。
あなた
あなた
いやー、これもこれもって思ってたらこんな量になってたもんで。
そう言ってパジャマらしきスウェットと、小さな袋を持って風呂場へと向かった。
そらる
そらる
化粧水とか、鏡の後ろに入ってるからー!
あなた
あなた
さっすがー。
まだ寝ぼけているのか棒読み風に言った。
はあ。
毛布をかたし、開いたまま置いてあるあなたのキャリーケースを閉じようとした。
すると中に見えるのは服や化粧品だけでなく、いくつかの分厚い台本や沢山のCDがあった。
そらる
そらる
なんだ。
あるじゃん、仕事。(ボソッ
休暇を貰ったと言っていたけれどまだまだこんなに仕事あったら寝る時間もないだろうな。
あーあ、久しぶりにあなたとゲーム出来ると思って少し楽しみにしてたのにな。
「しょうがないか、」

自分にそんなことをいいきかせながらあなたのキャリーケースを閉じ、部屋へと移動させた。
俺の部屋に簡易ベッドあるから、あなたはベッドで寝かせて今日は俺がそこで寝よう。

押し入れから簡易ベッドを取りだし、広げる。
簡易ベッドと言えど、結構ふかふかしてて悪くない。
ピンポーン
家のインターホンが鳴る。
「誰だ。」と思いながら玄関へと向かう。
すると、鍵が外側から慣れた手つきで上、下へと順々に開けられていく。
こんばんはー!

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