第14話

#10 まふまふside
13,446
2019/11/17 01:45
まふまふ
まふまふ
妹さん、あなたさんってことは、一ノ瀬あなたさんですよね!そらるさん。
そらる
そらる
よく知ってたな、まふまふ
まふまふ
まふまふ
うらたさんに聞きました。
そらる
そらる
あー。なるほど。納得。
ひとつの画面から目をそらさずに喋る2人。
まふまふ
まふまふ
それにしても、朝からマラソンなんて偉いですね。
そらる
そらる
そうだな、凄いぞ。あいつの体力。
まふまふ
まふまふ
え、そんなにですか?
そらる
そらる
30分間で10キロだからな。
まふまふ
まふまふ
え、えーと。凄いんですか?
そらる
そらる
……。知らん。
そらる
そらる
俺達、運動しないから何が標準で何が凄いか分からないな。
After the Rain
After the Rain
…………。
まふまふ
まふまふ
そらるさん。これ以上はやめましょう。
そらる
そらる
そうだな。俺達が悲しくなってくる。
何か、重々しい雰囲気。
ガチャリ
あなた
あなた
お待たせしましたー。
そらる
そらる
お、あなた!
そらる
そらる
ちょっと待ってろ。すぐ終わらせる。
隣にいるそらるさんの視線が画面に釘付けになる。
まふまふ
まふまふ
あ!ちょっ。そらるさん!
そらる
そらる
まふまふ、終わりだ。
まふまふ
まふまふ
あー!
GAME OVERの文字が画面に映し出される。
あなた
あなた
おー。
パチパチ
まふまふ
まふまふ
ううっ。そらるさん酷いですっ!
そらる
そらる
まあまあ。次は3人対戦しよう。
あなた
あなた
よっしゃー、来たー。
あなたさんはカーディガンの袖をまくり、そらるさんの隣へと座る。
そらる
そらる
はい。これ。
あなた
あなた
えー。私、赤がいい。
そらる
そらる
どっちでもいいだろ。はい。
あなた
あなた
むー。
おお。これぞ兄妹。
そらるさんがお兄さんやってる。
僕がぼーっとしているとそらるさんが「やるぞ?」と言い、慌ててキャラを選ぶ。
GAME START!
大きな太字で書かれた文字が映し出され、みんな視線を集中させる。
あなた
あなた
まふまふさん、お兄ちゃんやっちゃいましょ。
あなたさんが、僕にそう話しかける。
最初は驚いたが僕の口角も自然に上がってきて
まふまふ
まふまふ
いいですよ。やっちゃいましょ!
そらる
そらる
お前たちっ!ばか!
そらるさんが慌てたような声を出すと
あなた
あなた
ほれほれ〜。どうしたのかな〜?
あなたさんが煽り、
まふまふ
まふまふ
はははっ!そらるさん、いじめられてる!
僕が笑う。
とても、楽しい。
あなた
あなた
よし!じゃあ行くよ。
あなたさんがいきなりそんなことを言うと、そらるさんの画面にはGAME OVERと言う文字が映し出された。
そらる
そらる
はぁ。
え、はや。
強くね?と考えていると即座に僕の画面にもGAME OVERという文字が。
まふまふ
まふまふ
うそ。
あなた
あなた
ごめんね。まふまふさん。
クスクスと笑いながら謝る彼女。
まふまふ
まふまふ
強くないですか!?
あなた
あなた
まあ、鍛えてますからね。
まふまふ
まふまふ
兄妹揃って強いとか……はあ。
そらる
そらる
ふふ。ざまぁみろ、まふまふ。
あなた
あなた
あれれ〜?一番先に死んだのは誰だったかな〜?
そらる
そらる
うるさいなっ。次!次行くぞ!
あなた
あなた
はいはーい。
なんか、なんか。
まふまふ
まふまふ
ふふふっ、はははははっ!
そらる
そらる
うぉっ!どうした?
まふまふ
まふまふ
面白いですね。2人とも。
首を傾げるそらるさんだが、あなたさんは僕を見て口角を上げ、微笑んでくる。
その微笑みはとても美しく、並びに何かを見透かされているような感じがした。
でも、僕の笑いは収まらない。
まふまふ
まふまふ
ははっ、待って、お腹痛い、はははっ。
あなた
あなた
まふまふさん、深呼吸しましょう。深呼吸。
あなたさんに言われた通り、深呼吸をしてやっと収まった。
まふまふ
まふまふ
よーし!じゃあ次行きましょう!
そらる
そらる
おお。やる気がみなぎってるな。
あなた
あなた
次もお兄ちゃん負かせましょう!
「おー!」などと、2人で声を合わせて、団結すると「おまえらなぁ。」とそらるさんがため息をつく。
そらる
そらる
上等だ。まずはまふまふからやる。
まふまふ
まふまふ
やだー!やめて、そらるさん、横暴だー!
あなた
あなた
まふまふさん、持ちこたえて!その間に!
そらる
そらる
そうはさせるか!
このような対戦を何度も繰り返し、いつの間にか時計は12時を指していた。
そらる
そらる
お腹空いたなぁ。
あなた
あなた
そうだね。
お昼の話をしている時も僕らの視線は画面に釘付け。
まふまふ
まふまふ
なんか、食べます?
あなた
あなた
あ、チャーハン食べたい。
まふまふ
まふまふ
じゃあ僕、ラーメンがいいです。
あなたさんがゲームから目を離し、僕の方を見て挙手をする。
そらる
そらる
じゃあみんなでラーメン屋行くか。
……。よし。
「あー!」あなたさんと僕が口を合わせて声を上げる。
僕とあなたさんがお昼について話している時に画面から目をそらしている間にそらるさんが、僕達を倒してしまったのだ。




僕達の画面にはGAME OVERと、映し出されていた。
そらる
そらる
俺の勝ちだな。
誇らしげに言うそらるさんにブーイングをする。
まふまふ
まふまふ
大人気ないですよ!
あなた
あなた
そうだー!私たちは真剣にお昼について話してたんだぞ!
そらる
そらる
別に、真剣じゃないだろ。
そらる
そらる
じゃあ、行くか。
「もー」と。渋々立ち上がる僕達。
あなた
あなた
ちょっとまっててね。
そう言ってあなたさんはそらるさんの部屋に行った。

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