第10話

#8 そらるside
15,155
2019/11/23 01:31
あなた
あなた
あ。……どうも。
先程のテンションとは打って変わってあなたはまふまふに対し、少し控えめな礼をする。
1度も会わせたことがないのだから当たり前の反応なのだが、身近にいる2人がこんな風にぎこちないとこっちまで調子が狂う。
まふまふ
まふまふ
どうも!まふまふです。
早口になる挨拶。






さて、あなたはまふまふのことを知っているのか。
あなた
あなた
……。
あなたが少し考え込むような顔をする。
約5秒後。
あなた
あなた
ああ!お兄ちゃんと一緒に活動している!
まふまふ
まふまふ
そうです!
間髪入れずにまふまふが元気に答える。
さすがに『After the Rain』という名前は出てこなかったけど、よくまふまふの事を覚えてたものだ。
あなた
あなた
では、私はこれで。
まだ濡れている髪を揺らしながらさっきよりも深い礼をして ドアノブを掴む。
そらる
そらる
あ!俺の部屋のベッドで寝ていいからね!
ドアが閉まるのと同時にドアの向こうから「分かったー。」という声が聞こえる。










…………………………。











しばらくの沈黙。
まふまふ
まふまふ
妹さんって歌い手のこと、知らないんですか?
予想通り。この質問。
そらる
そらる
知らないと言うより興味がないらしいんだよね。
頭を少し掻くような動作をしながら言う。
その言葉にまふまふは目を見開く。
まふまふ
まふまふ
えっ!じゃ…あ、!そらるさんの事は知ってるんですか?
そらる
そらる
まあ、俺は兄弟ってこともあってか俺の事は知ってるらしいけど他の人達については全くの皆無。
そらる
そらる
まふまふも一応、俺とユニットを組んでるから、少し知ってもらってたんじゃない?
まふまふ
まふまふ
ま、まじですか……!
そらる
そらる
まあ、そういうことだから俺はお風呂入ってくるよ〜。
まふまふ
まふまふ
は……はあ。

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