先程のテンションとは打って変わってあなたはまふまふに対し、少し控えめな礼をする。
1度も会わせたことがないのだから当たり前の反応なのだが、身近にいる2人がこんな風にぎこちないとこっちまで調子が狂う。
早口になる挨拶。
さて、あなたはまふまふのことを知っているのか。
あなたが少し考え込むような顔をする。
約5秒後。
間髪入れずにまふまふが元気に答える。
さすがに『After the Rain』という名前は出てこなかったけど、よくまふまふの事を覚えてたものだ。
まだ濡れている髪を揺らしながらさっきよりも深い礼をして ドアノブを掴む。
ドアが閉まるのと同時にドアの向こうから「分かったー。」という声が聞こえる。
…………………………。
しばらくの沈黙。
予想通り。この質問。
頭を少し掻くような動作をしながら言う。
その言葉にまふまふは目を見開く。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。