第6話

#4 そらるside
16,743
2019/11/23 01:30
ピンポーン
ガチャ
俺の家の合鍵を持っているあなたは、インターホンを鳴らすものの俺が出る前に家に入ってきた。
「おじゃましまーす。」
リビングのドアを静かに開けて入ってきた。
あなた
あなた
お兄ーちゃん、これ。
ドサッ
「うぐっ」と、声を漏らす。
ソファーに座っていた俺の上に乗せられた紙袋。
かなりの重量がある。
そらる
そらる
これは?
あなた
あなた
まあまあ、見てみ。
あなたにそう言われ、俺は紙袋の中を覗いてみた。
覗いてみれば中には沢山のゲームカセットが入っていた。


(なんだこれ。)
少し漁ってみると1番下に青い箱に入った、他よりも綺麗な箱を見つけた。
そらる
そらる
……。
俺がその箱を凝視していて、あなたが、にこにこして目の前に立っているという状況。
そらる
そらる
これ何。
あなた
あなた
……。
聞いても、ずっとにこにこしているだけだった。
痺れを切らし、そーっと箱を開けてみる。
そらる
そらる
おお!
中にはSwitchが入っていた。
正直、とても嬉しい。

1つしか持ってなかったため、俺とまふ、うらたぬきと坂田が全員で一緒に出来なかったからだ。
そらる
そらる
どうして?いきなり。
あなた
あなた
だって3ヶ月前のお兄ちゃんの誕生日、仕事で会えなかったから。
着てきたコートや、荷物をそこら辺にある椅子の背もたれに手際よく掛けていく。
そらる
そらる
さんきゅー。嬉しい。
あなた
あなた
いえいえー。
そらる
そらる
で、このカセットの山は?
あなた
あなた
あー、それなんだけどさー。
そらる
そらる
ん?
はあ。と、ため息をついて俺の隣に座ってきた。
すると不貞腐れたように口を少し尖らせ、足をぶらぶらさせながら言った。
あなた
あなた
全然クリア出来なくてさー。
あなた
あなた
丁度新作のゲームも出てたから、
そらる
そらる
ら?
あなた
あなた
お兄ちゃんに手伝ってもらいたいなぁーって、思ったり……。
最後の方の言葉はごにょごにょと言っていてよく聞こえなかったが大体分かった。
そらる
そらる
了解。了解。じゃあ一緒にやろう?
俺はそう言いながら下を向いて不貞腐れてるあなたの頭をぽんぽんと撫でた。
あなた
あなた
ほんと!?じゃあゲームへレッツGO!
いきなりソファーから立ち、テレビゲームをする準備を始めるあなた。
昔からあなたは素直にものを言えない性格はいくつになっても直らない。
あなた
あなた
おーい、準備できたよ。
あなた
あなた
紙袋ごと持ってきて!
「はいはい」と持ってみるが凄い重さだ。
そらる
そらる
これ、いくつあるんだ?
そらる
そらる
これ、全部か?
「もちろん、そのために泊まりに来たんよ!」と、満面の笑みで玄関に置いてきたトランクケースを、床を汚さないように横にして持ってきた。
そらる
そらる
……何泊する気だ?
あなた
あなた
6泊
1週間…まじか。
あなた
あなた
だから今までのゲームまとめて持ってきたんだ〜。
俺が運んできた紙袋をひっくりがえし、鼻歌を歌いながらゲームを選ぶ。
そらる
そらる
まあ、いいけど。
「あ。」と、俺がなにかに気づいたように言うと、あなたが「どうしたの?」と首を傾げてきた、
そらる
そらる
俺の仕事仲間が近々ここに集まるけど、どうする?
あなた
あなた
ああ、「歌い手」の人達?
そらる
そらる
うん。
あなた
あなた
あー、うーん、お兄ちゃんの部屋行ってるわ。
そらる
そらる
そうか、騒がしくなると思うけどすまんね。
あなた
あなた
んー?大丈夫大丈夫。
あなた
あなた
さっさとやろ。
あなたが隣の床をぽんぽんと叩き、「はやく」と急かす。
そらる
そらる
はいはい。今行く。
「よいしょ」と、はんぺんを持って座る俺。
あなた
あなた
よし!じゃあゲームSTART!
そらる
そらる
おー。

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