ピンポーン
ガチャ
俺の家の合鍵を持っているあなたは、インターホンを鳴らすものの俺が出る前に家に入ってきた。
「おじゃましまーす。」
リビングのドアを静かに開けて入ってきた。
ドサッ
「うぐっ」と、声を漏らす。
ソファーに座っていた俺の上に乗せられた紙袋。
かなりの重量がある。
あなたにそう言われ、俺は紙袋の中を覗いてみた。
覗いてみれば中には沢山のゲームカセットが入っていた。
(なんだこれ。)
少し漁ってみると1番下に青い箱に入った、他よりも綺麗な箱を見つけた。
俺がその箱を凝視していて、あなたが、にこにこして目の前に立っているという状況。
聞いても、ずっとにこにこしているだけだった。
痺れを切らし、そーっと箱を開けてみる。
中にはSwitchが入っていた。
正直、とても嬉しい。
1つしか持ってなかったため、俺とまふ、うらたぬきと坂田が全員で一緒に出来なかったからだ。
着てきたコートや、荷物をそこら辺にある椅子の背もたれに手際よく掛けていく。
はあ。と、ため息をついて俺の隣に座ってきた。
すると不貞腐れたように口を少し尖らせ、足をぶらぶらさせながら言った。
最後の方の言葉はごにょごにょと言っていてよく聞こえなかったが大体分かった。
俺はそう言いながら下を向いて不貞腐れてるあなたの頭をぽんぽんと撫でた。
いきなりソファーから立ち、テレビゲームをする準備を始めるあなた。
昔からあなたは素直にものを言えない性格はいくつになっても直らない。
「はいはい」と持ってみるが凄い重さだ。
「もちろん、そのために泊まりに来たんよ!」と、満面の笑みで玄関に置いてきたトランクケースを、床を汚さないように横にして持ってきた。
1週間…まじか。
俺が運んできた紙袋をひっくりがえし、鼻歌を歌いながらゲームを選ぶ。
「あ。」と、俺がなにかに気づいたように言うと、あなたが「どうしたの?」と首を傾げてきた、
あなたが隣の床をぽんぽんと叩き、「はやく」と急かす。
「よいしょ」と、はんぺんを持って座る俺。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。