そらるside
誰が来たかと思ってドアを開けるとそこには背の小さい茶髪の人が立っていた。
あ、どもー。そらるさん。まふいますー?
ん、あぁいるよ。
おじゃましまーす、…ってあれ、この女物の靴誰のですか?
妹の。今お風呂はいってるから洗面所行く時気をつけて。
ふ〜ん。妹さんいたんですね
まあな。
器用に玄関の高低差を使いながら靴を脱ぐと、真っ直ぐリビングへと向かう。
おーっす!まふー!
さすがは声優。声量が半端ない。てかうるさい。
うらたさん!?どして?
はあ?まふが先週誘ってきたじゃん、ご飯食べよって。でも、家にいなかったからそらるさんちにいるだろうと思ってこっちに直行してきたんだけど……。
あ、ぁあ、!すみません
まあいいんだけどな……
うらたくんが俺の部屋を見渡す。
ほんとに妹さん来てんですか?
?ほんとだよ?
彼女とかじゃなくて?
ニマニマとした顔で迫ってくる。
断じてそれはありませんよ、うらたさん!
おい。
大丈夫です、そらるさんに彼女が出来るはずがありませんから、はい
だから、おい。
まあ、そうか。泊まりにきてんの?
あぁ。次の仕事があるまでここにいるって。
…あ!そうですよ、そらるさんの妹さん声優ですって!
まふがそう言うとうらたくんは何かを考え込むように首を傾げる。
なんかその話どこかで……って、あ!!LINEで話したわ、その話題。まふと。
あ!そうじゃないですか!一ノ瀬あなたさん見つけたのうらたさんじゃないですか!
やべっ、忘れてた。完全に。
まふがあの時知ってたのはうらたくんに聞いていたからか。
てかその一ノ瀬あなたさんって人ほんとにそらるさんの妹だったんだ。。
びっくりですよね
うらたくん、面識なかったの?
まあ、てかあなたさんって声優界の申し子ですから。俺なんかと仕事が被るわけないと思う。
へぇ
なんやかんやあなたのことについて話しているとどうやら風呂からあがったらしい。
あがったよ〜
ドアの向こうから声がかかる。
うらたくんが前髪を気にしている。
ついに妹とうらたくんのご対面。
カチャツとドアに手をかける音が聞こえた。
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