第19話

#15 nqrse side
10,901
2019/11/23 12:23
あなた
あなた
なーるせっ!
nqrse
nqrse
うぉっ!あっぶね!
背はそれほど変わってはいないが、髪が伸び前よりも綺麗になっている。
去年会ったきりで、あなたの仕事忙しかったからなかなか遊べなかったものだ。
あなた
あなた
久しぶりっ!
笑顔で俺に抱きついてくる。
可愛いなオイ。
nqrse
nqrse
元気だな。
あなた
あなた
若いからね。
nqrse
nqrse
そんなに、歳変わらねーだろ。あほ。
うん、そうだ。そうだよな。

あなた、25歳
俺、27歳

2歳しか違わねーじゃねーか。
あなた
あなた
まあまあ、行こ!
背中に回してきた腕をほどき、俺の右手を握り元気に外に出る。
25歳になったにも関わらず、どこかまだ幼さは残っていてとても愛らしい。
これはモテるな。
あなた
あなた
ねぇ、聞いてる?
nqrse
nqrse
ん?何が?
あなた
あなた
あー、やっぱ聞いてない。
nqrse
nqrse
?何を?
あなた
あなた
nqrseって、髪染めたでしょ?
前、真っピンクだったじゃん。
nqrse
nqrse
あぁー、そうだな。
他の男とは違って女子のようにふんわりとしたそこそこ長い髪を指に絡ませる。
nqrse
nqrse
LIVEが終わって、いつもピンクっていうわけにもいかないしな。
あなた
あなた
ああ、歌い手の?
nqrse
nqrse
そう。
あなた
あなた
確かに、ピンクで街中歩いている男性っていないもんね。
ふふふと笑い、俺の髪を触ろうと背伸びをして、つま先立ちをしている。
その高さに合わせようと、少し前かがみになる。


手で優しくといてくれているのが分かる。
nqrse
nqrse
でも、日常的に真っ白のやつもいるからな。わかんねーぞ~!
あなた
あなた
あ!もしかしてまふまふさん?
nqrse
nqrse
!!!よく、知ってたな。
あなた
あなた
今、お兄ちゃんの家にいるよ。
nqrse
nqrse
へーぇ。
あなた
あなた
あの、白髪の高身長イケメンでしょ?
なんか、知り合いが知り合いにそんなことを言われているのは変な感じだ。
nqrse
nqrse
まあ、ネットではそう言われてるね。
あなた
あなた
歌い手って、イケメンばっかだね。
あなた
あなた
お兄ちゃんだってまふまふさんだって、もちろんnqrseも!
nqrse
nqrse
お、おお。
あなた
あなた
あ、照れてる?
nqrse
nqrse
照れてませーん。
あなた
あなた
ツンデレめ!
内心、嬉しいのは秘密。
いつも通り、元気。
でも、なんか違和感。












空元気って言うのか?無理してる気がする。
そう思って顔を覗き込んでみる。
……泣いた?
あなたの目は少し赤く腫れていて泣いたあとのような顔だった。
nqrse
nqrse
ねぇ、あなた。何かあった?
すると、今まで元気だったあなたが足を止め下を向く。
nqrse
nqrse
あなた?
あなた
あなた
ねーえ、どうしたらいいと思う?
nqrse
nqrse
何が?
あなた
あなた
……私ね、とあるアニメの主役の声をやることになったんだ。
nqrse
nqrse
おお!すごっ!さすがあなたじゃん!
あなた
あなた
でも、……でもね、私の幼馴染み役の人、メインヒロインの声の人が出来なくなっちゃって、代わりになる人を自分で探せだって。
あなた
あなた
それでね、歌の練習もしなきゃいけないし、キャラ作りもしなきゃ行けないのに……
後半になると、あなたの声は震えていた。
nqrse
nqrse
あなた?落ち着いて。
震える小さな肩をそっと包み込む。
包み込んでみればあなたの体は華奢で俺の腕の中にすっぽりと収まった。
傍から見れば変な2人組なのかもしれない。
ここはたくさんの車が通る大通りの歩道。
だけど、別に恥ずかしくともなんともない。
ただ、あなたを守りたくて。

大切にしたくて。









愛しくて。





















そして、彼女の耳にそっと囁く。
nqrse
nqrse
1人で抱え込んじゃダメだよ。
nqrse
nqrse
助けになるからね。
あなた
あなた
う……うん。
あなた
あなた
もう、いいよ。ありがとう。
nqrse
nqrse
えー、もう終わり?
すると、あなたは俺の胸板をぐっとおし、体から離れてしまった。
だけどあなたの顔は泣いている顔でも悲しそうな顔でもない。





照れてる顔。
耳まで真っ赤にして、肌が白い為余計目立つ。
右手の甲で口元を隠し、ずっとそっぽを向いている。
ふふ。
nqrse
nqrse
あなたー?なんでずっとそっちを向いているの?
あなた
あなた
っ!だって、nqrseがっ!
nqrse
nqrse
それより、うたの練習したいんでしょ?しよ?
ほらほらーと、あなたの腕を引く。
あなた
あなた
ちょっ!nqrse-!!
さっきのお返しね。

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