第2話

会長選と始まり~風間ゆきとは記憶しない~
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2018/03/29 11:39
創造主 心音
こんにちは!心音です。前作でされなかった謎解きとゆきとsideの物語です。1話を読んでない方かなりネタバレを含みます。それでは、どうぞ!
⏰Pi Pi Pi pi pi⏰
アラームとともに起床。起きてパッと目に入るのは、天井にはった日記を見ろという文字。ベッドサイドにあるテーブルから、diaryと書かれた日記をとり目を通す。
Diary
君は今自分のことを5歳の子どもだと思っているだろう。でも、違う。君は今市立南中学校の生徒、つまり中学生だ。君のクラスは、2ー1クラスで係はやってない。立ち位置は、喋らない静かなやつ。・・・・・・・・
僕のことが事細かに書かれていたどうやら、これを書いたのは、昨日の僕らしい。そして、僕の記憶は、五歳より後には更新されていない。24時間で記憶は、消えるらしい。(正確には、12時にリセットだ。)つまり、僕は、記憶喪失だ。
風間  ゆきと
風間 ゆきと
....
いつも通り無言で教室に入る
山田先生
風間~ちょっと来てくれないか
風間  ゆきと
風間 ゆきと
!....
先生の所へ行く
山田先生
風間さー頭いいよな?
僕は、頭がいいらしい
風間  ゆきと
風間 ゆきと
はい...
山田先生
あのさーちょっとこれ見てよ
先生は、パソコンで作ったA4の紙を差し出してきた
風間  ゆきと
風間 ゆきと
な、なんですかこれ
山田先生
見ての通り脅迫状だよ
風間  ゆきと
風間 ゆきと
・・・・・
どういう展開だよ....
山田先生
というわけで、犯人見つけとけよ
はぁ...やりたくない。めんどくさい。でも、もうやる以外選択肢がない..はやく犯人を見つけよう...てか、今日中にも見つけなきゃ終わりだよな。
改めて、目を落とす。多分ここから犯人を割り出すのは無理だろう。聞き込みするか。
ーーーーーー10分後ーーーーーーーーーーー
情報は、かなり集まった。が、確信の持てる犯人候補は、誰1人としていなかった。なぜだろう。立候補者を中心にした聞き込みは意味がないってことがわかっただけ進歩、と言いたいところだが、僕には、時間がないのだ。
山田先生
おまえ、まだいたのかよ。完全下校過ぎてんだよ!今すぐ帰れ!!
風間  ゆきと
風間 ゆきと
は、はい
仕方がない。帰るか...悔しい。立候補者の関係者の中に犯人がいるはずなのに...今日のことをいつもより(といってもいつもを知らないが)細かく記録した。 
ーーーーーーー次の日ーーーーーーーーー
風間  ゆきと
風間 ゆきと
.....
いつも通り無言で教室に入る(もちろん、いつもなのかどうかは知らない)特に理由はないが廊下に出てみる
前から、人が歩いてくる。佐々木さんだ。かばんがとても重そうだ。あっ!中身が全部落ちてしまった。教科書だ。かばんの底に穴が開いていた...かばんにはいくつかの切れたあとがついている。ひっかけたんだろうか。
そのあとに、上原さんに会った。昨日の僕は関係ないと思ったみたいだが、上原さんは、最近どうも金回りがいいらしい。気になる。
なんか、選挙関係者に会いまくってるみたいだけど、小日向くんに会った。いつも通り真面目そうだ。それにどことなく嬉しそう。テストの点がよかったんだろうか
三浦くんにも会ってしまった。胸ポケットに入ってるのは、ハサミ...なぜ
春日さん以外全員に会ってしまった。この事は、今日のうちは覚えておこう
山田先生
風間ーちょっと来い
風間  ゆきと
風間 ゆきと
....? 
山田先生
さっきさーこんな事件があったんだよ。
風間  ゆきと
風間 ゆきと
え?
山田先生
かばんがさ、ぬれてたんだよ
風間  ゆきと
風間 ゆきと
はい?
山田先生
ほら、脅迫状来たろ?あの件でさーなんか、立候補者達の荷物に灯油がかけられてたらしいんだよ。ただし、荷物持ち帰った春日以外な。ちょっと調べてくんね?
犯人その春日で決定じゃね?....ん?佐々木さんも被害にあったんだろうか?それは、おかしくないか?
風間  ゆきと
風間 ゆきと
あの、佐々木さんも被害にあったんですか?
山田先生
なんか、教室に置いてった教科書にかけられてたらしいぞ。
明らかにおかしい。犯人がわかってしまった。動機も解った。でも、灯油を持ってくる方法がわからない。倉庫の扉は重たくて、閉まるときに大きな音がする。少なくとも今日はそんな音を聞いていない。
解らない。解らない。どうすれば...とりあえず、倉庫に向かう。重たい扉を開ける。開けっ放しにしておこう。倉庫のなかは、むあっと暑い。特に何もなければ、すぐ出よう
!!!人の気配
風間  ゆきと
風間 ゆきと
わー!誰だ‼
春日  澪
春日 澪
2ー3の春日澪です。失礼ですが、ここで何を...
風間  ゆきと
風間 ゆきと
春日って春日みおだったんだ。しずくだと思ってた...てか、みおってまさか...
そこからの会話は覚えていない。ただ、どういう流れかデートすることになったようだ。なぜ…………記憶を失わないはずのみおが僕を忘れているんだろう…………
家に帰って日記を書いた。内容は、ほとんど事件の結末だった。
Diary
…みおと一緒に佐々木さんのところへ行った。みおは、氷で扉を押さえておき自らのアリバイのある時間に扉が閉まるようにしたのだと言った。最初佐々木さんは反論した。声を荒げて。なぜ、そんなことができるのか  と、みおは、冷静だった。ただ、淡々と扉が閉まる時大きな音がするから、それでわかると告げた。僕は、同情はすると言った。佐々木さんは、泣き崩れた。仕方がなかった、他に方法はなかった、と。佐々木さんは、いじめられていたのだ。まず、僕はなぜこんなに選挙に必死なのかと思った。今から思えば佐々木さんを当選させないためだったんだろう。多分いじめの主犯格は、上原さん。いじめのために、興味もない選挙に出る思考は理解できない。後味の悪い事件だった。いじめは、学校側に露見し、みおが会長となった。
書きながら、考えたことはみおのことだった。なぜ、忘れてしまっているのだろう。みおとは、幼稚園の時仲がよかった。そして、今日の記憶以外で最後の記憶はみおの泣き顔だった。みおなら、記憶喪失の理由がわかる。そう思ってみおのいる学校に来たのに…

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