第13話

理由
1,037
2018/09/04 10:25
伊藤
悪いな、桜木。午後の授業は出られないと思うが大丈夫か?
來雅
あ、はい、大丈夫です。
中に入って並ぶ机の大体 真ん中 当たりに向かい合うように羽瑠と学年主任の伊藤が座っていた。
坂井
お前はそこ座って
指さされたのは羽瑠の隣の席。

坂井は学年主任の隣に座った。
來雅
分かりました
椅子をひき、座れば横にいる彼の様子がおかしいことに気づく。

小刻みに震える手は抑える術がなく、ゆるく着こなしたカーディガンの袖の中に隠れている。

綺麗な黒い瞳はどこを見ているのか、焦点があっておらず、くすんでいて。

極めつけは彼の唇。血が滲み出ている。下唇を強く噛んだ時にできるあれ。
伊藤
何があったか教えてほしいんだ
伊藤
南雲に聞いているんだが何も答えてくれなくてね。
そんなことだろうと思った。

表には出ていないがオーラで感じ取れる伊藤のイラつき具合からするとここに来てから一言も言葉を発していない、というころか。
來雅
なにって言われると...
俺だって途中から入っていった身だ。

完璧に事を説明出来る訳では無いのに...。
來雅
なんて言えばいいんですかね...
來雅
こいつ、...南雲が宮野の首、絞めたって言うかなんて言うか...
來雅
原因は多分.........


































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伊藤
長々と悪かったね。
伊藤
ありがとう
來雅
いや、全然大丈夫です。


覚えている限り、言葉にできる限り詳しく。

そして、あなたには申し訳ないが聞いた話も少し。

そう 説明していたら午後の授業はとっくに終わり放課後になっていた。

俺が話していた間、ぴくりとも動かない彼に少しの恐怖を覚えたが彼のことは坂井が何とかしてくれるだろう。

そう思い少し遅れて部活に顔を出した。




そして次の日、羽瑠が1ヶ月程の停学処分になったことが決まったのを朝、騒いでいる女子の声で知ることになる。







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2018-09-04

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