第53話

「薄情?」
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2022/11/28 08:40
「………つまり、


悪いの全部焦凍パパじゃね??」


その話を聞いた時の感想がこれだ。
エンデヴァーファンの人よ、すまん。


結果そこに落ち着くのか。ウケる!!と、少し笑う。



「…笑ってくれるんだな。ありがてぇ。」

「にしても、俺の為を思って言われた言葉だったんだとは…。何か悪ぃ!!でも焦凍が側にいて不幸になった事ねぇし、これからもねぇ。ビビって距離なんか置くなよ?」


そう言って焦凍の紅白頭をくしゃくしゃ撫でる。

おっとまたお花飛んでる(ように見える)

くっ…イケメンめ!!!!



「そっかーその火傷にはそんな事情があったのねー…俺がその場にいたら治せたのに残念」


そういって笑う。


「…!…いや、これでいい。俺のせいであなたが痛い思いするのは嫌って言っただろ。」

「良い奴かって…。何?俺はお前の事大切に思ってないって言いたい訳?」


そのしつこさに少しだけ焦凍を睨む。

俺は"自分より相手"なんて、美しい自己犠牲精神なんざ持ってねぇが、俺が治せるやつが目の前にいんのに治さねぇのも変だろ。

よっぽど嫌いなら別問題として。



「それは…」


意地悪な質問だったのは自覚してる。

自分は大切にされてる__なんて言える自意識過剰はいないしな。


「仲直りしたんだからもう大切だろ。そんなに構えんな。」


何にか知らねぇけど何かに怯えてるようにみえる。

また俺が怒るかもって?

そんな繊細に見えるか??

そんな薄情な奴に見えるか?



…そー見えんならしゃーねぇけど。


「………悪ぃ。」

「何か知らねぇけど、悩んでんなら力になるぜー?……なれるところは、な?」


そう言って苦笑いを浮かべる。


……んー、俺って薄情な奴に見えんのかな?


そりゃあ久々再会した焦凍クンとは相容れない感じあったけど、仲直りっつーの?

和解したじゃん?


それでも俺は怒りっぽいイメージついてるとか?

気ぃ使わせてんの?

それはとても申し訳ねぇな。




あ、駄目だ。ネガティブ思考になってる。

頑張ってエンデヴァーに謝らせるんだ!!


その為に気合いを入れて参らねば!!



「……あなた。」


焦凍が俺を引き止める為、腕を引く。

少し前を歩いていた俺は突然の事にバランスを崩す。


「っお?何?」


ネガティブ思考そっちのけの様に、即席の笑顔
を見せる。




「俺はお前と居るのが好きだ。お前を傷付ける奴は嫌いで、俺も傷付けたくない。」




えっ???


急にどした???


突然の過保護…?

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