「………つまり、
悪いの全部焦凍パパじゃね??」
その話を聞いた時の感想がこれだ。
エンデヴァーファンの人よ、すまん。
結果そこに落ち着くのか。ウケる!!と、少し笑う。
「…笑ってくれるんだな。ありがてぇ。」
「にしても、俺の為を思って言われた言葉だったんだとは…。何か悪ぃ!!でも焦凍が側にいて不幸になった事ねぇし、これからもねぇ。ビビって距離なんか置くなよ?」
そう言って焦凍の紅白頭をくしゃくしゃ撫でる。
おっとまたお花飛んでる(ように見える)
くっ…イケメンめ!!!!
「そっかーその火傷にはそんな事情があったのねー…俺がその場にいたら治せたのに残念」
そういって笑う。
「…!…いや、これでいい。俺のせいであなたが痛い思いするのは嫌って言っただろ。」
「良い奴かって…。何?俺はお前の事大切に思ってないって言いたい訳?」
そのしつこさに少しだけ焦凍を睨む。
俺は"自分より相手"なんて、美しい自己犠牲精神なんざ持ってねぇが、俺が治せるやつが目の前にいんのに治さねぇのも変だろ。
よっぽど嫌いなら別問題として。
「それは…」
意地悪な質問だったのは自覚してる。
自分は大切にされてる__なんて言える自意識過剰はいないしな。
「仲直りしたんだからもう大切だろ。そんなに構えんな。」
何にか知らねぇけど何かに怯えてるようにみえる。
また俺が怒るかもって?
そんな繊細に見えるか??
そんな薄情な奴に見えるか?
…そー見えんならしゃーねぇけど。
「………悪ぃ。」
「何か知らねぇけど、悩んでんなら力になるぜー?……なれるところは、な?」
そう言って苦笑いを浮かべる。
……んー、俺って薄情な奴に見えんのかな?
そりゃあ久々再会した焦凍クンとは相容れない感じあったけど、仲直りっつーの?
和解したじゃん?
それでも俺は怒りっぽいイメージついてるとか?
気ぃ使わせてんの?
それはとても申し訳ねぇな。
あ、駄目だ。ネガティブ思考になってる。
頑張ってエンデヴァーに謝らせるんだ!!
その為に気合いを入れて参らねば!!
「……あなた。」
焦凍が俺を引き止める為、腕を引く。
少し前を歩いていた俺は突然の事にバランスを崩す。
「っお?何?」
ネガティブ思考そっちのけの様に、即席の笑顔
を見せる。
「俺はお前と居るのが好きだ。お前を傷付ける奴は嫌いで、俺も傷付けたくない。」
えっ???
急にどした???
突然の過保護…?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。