「あ”?あなたのヒーロー名?」
「そー。体験先は引く手数多だけど名前はねー。」
うわ、嫌な事いう…と、上鳴が言う。
いやでも上鳴クンは指名多かったじゃん??
「肩書きはぶっ壊しヒーローだな。」
と、上鳴が。
「何それ物騒じゃんか!!」
俺は治せたりするもん!!壊すしか脳がねぇみたいな肩書きにすんじゃねぇよ!!
「そーゆー上鳴は!!?」
「俺はチャージズマ!!!」
おぉ、なんか、個性が分かりやすい名前。
上鳴っぽい。
くそ、意外とまともかよ。
「んー、俺別にこれといって特徴ある個性でもねぇし。」
「いやどこがだよ。2つ持ってるのって只者じゃねぇよ。」
綺麗にツッコミを入れる切島。
俺のこれはほら、と突然変異だし。
生まれつき2個持ってる奴とは格が違う。
(つまり俺の方がしょぼい、気がする)
「…そういやお前治せんのか。」
意外そうな顔して爆豪が言うけど、え、今更?
治せるよ?まぁ腕が取れるとかは傷口塞ぐだけで腕の再生、複製は出来んけどな!!
「ほら見てくれよあなたが治してくれたとこ!!ちょー綺麗!!」
上鳴が嬉しそうに言う。アッ、なんかありがと。
「それ、ノーリスクで出来んのか。」
疑り深い目で上鳴の腕を見て、俺を見る。
……えぇ、それ聞くの?!?
いや、ノーリスクで治せたらカッコイイじゃん?実は俺自身痛い目見てます。ってカッコ悪ぃ。
だから言いたくない。
「ばーちゃんみたいに、疲れることはねぇよ?だから相手はすぐ元気になんの凄くね?!」
リカバリーガール=ばーちゃんについて問い詰められたけどそこは割愛するとして、
爆豪に怪訝そうに見られたなんで…。
そんな所で相澤さんが来て、「早く帰れ」と言われたので解散し、皆で教室を出た。
生徒玄関を出ると、焦凍が立っていた。
「どした?教室には俺ら以外誰も居なかったぞ?」
誰待ちなんだ?と、焦凍に尋ねると、
「あなたを待ってた。」
「っえ、俺?」
「これから用事でもあんのか?」
…や、ねぇけど待つなら待つって言ってくれたら早く教室出たし、雑談もしなかったのに。
逆に焦凍は俺に何の用なんだ?
「おい。」
切島と上鳴は帰ったのか、爆豪が1人で声をかける。
どっちを呼んだんだ!主語!!
「てめぇのそれ。俺が聞きたかったのは、てめぇ自身に起こるリスクの事だ。はぐらかしただろ。」
おっっと、今???
「…何の話だ?」
「答えろや」
うそ〜…困る〜〜……。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。