第13話
クラス表
未だに腕を体の下に差し出している男子生徒にどんな反応をしていいかわからず話しかける。
体勢を整えたことを確認すると腕を引き校舎へと歩いていく男子生徒を見ながら私はパタパタと制服についた汚れを払う。
小走りで駆け寄ってくる涼海さんを横目でちらりと見ると軽く微笑んでみせた。…微笑んでいるように見せた、が正しいか。
校舎へゆっくり向かう私の横を安心したような表情を浮かべながら着いてくる涼海さんを横目で1度見ると私は視線を校舎の方に戻す。
靴箱まで来ると軽く会釈をし、先にクラス表を覗く。
クラス表の前にはたくさんの生徒が立っており、なかなか前のほうが見えなかった。軽くジャンプしてみるが大して変わらない。
人混みの少ない方に移動すると鞄の中から携帯を取り出す。先にクラス表の前まで向かったのに見えずにいる、というところを涼海さんに見られると若干困るが人が少なくなるのを待つのが最善策だろう。
ふと、横から名前を呼ばれ声がした方を向くと
不思議そうな表情の涼海さんが立っていた。…まぁ、先に行ったはずの人がこんなところで立っていたら疑問にも思うよね。
ふいと反対方向に顔を背けると不思議そうな表情から嬉しそうな顔に涼海さんが表情を変える。
どんな顔をしていいかわからず私は横を向いたまま何組か聞いてみることにする。
行こ!と、手を軽く引っ張られる。大した抵抗もせず、ただ、教室に向かって歩き出すのだった。
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本当に久しぶりの本編投稿になります…!
軽くふゆちゃんの性格が前回よりもツン成分多めになっているような…
番外編と一緒に読んで頂けば今後のふゆちゃんが少しずつ優しい性格になっていく予想は立ってくるのでホッとしてます…。今後ひよりちゃん達と関わっていく上でどのようにふゆちゃんが変化していくか、書いていくのが楽しみです。
次回は新クラス編になる予定です。
ふゆちゃんとLIP×LIPの2人、ひよりちゃんの絡みも少し入れていけたらいいなと思ってます!