第14話

番外編・酔った彼女は恐ろしい
320
2021/03/01 15:50
涼宮ふゆ
涼宮ふゆ
チョコレート?
涼海ひより
涼海ひより
うん!昨日スタッフさんから貰ったんやけどふゆちゃんにもおすそ分け!
チョコレートの箱を渡される。少し封が空いているのか中からほんのりとチョコレートの匂いがただよってくる。
涼宮ふゆ
涼宮ふゆ
ありがと…
ほわっと頬を緩めると箱を開け1つ、口に入れる。
涼宮ふゆ
涼宮ふゆ
………これ、なんか入ってる?
もごもごと口を動かすと中からジュレっぽいものが出てくる。
涼海ひより
涼海ひより
普通のチョコだと思うけど…
不思議そうに私を眺めるひよりを見ながら私は更にチョコレートを口に運ぶ。なんだかふわふわとした気持ちになってくる。
涼海ひより
涼海ひより
ふゆちゃん…?
私の顔を心配そうに覗き込んでくるひよりを見て私は目元を緩ませて笑いかけた。反則的なまでの笑顔で。
涼宮ふゆ
涼宮ふゆ
ひより、……だーいすき、えへへ
涼海ひより
涼海ひより
ふ、ふゆちゃんどしたん??
急な変化に追いつけないのかおろおろと私を見るひよりを見て私はなんとなく可愛いなーと思いひよりの髪を触り始める。あわあわと顔を赤くして慌てているひよりをぼんやりと眺める。
ふと、頭に誰かの手が置かれた。手はひよりの頭に置きながら顔だけを少しあげる。そこには、染谷くんが立っていた。訝しげな表情で私を見ている。
染谷勇次郎
染谷勇次郎
涼宮さん、大丈夫?
涼宮ふゆ
涼宮ふゆ
そ、めやくん…
染谷くんの顔をじーっと見つめるとそっと染谷くんの手に自分の手を重ねる。
涼宮ふゆ
涼宮ふゆ
そめやくんの手おっきい…わたし、そめやくんのてすきらよ?
ふにゃふにゃと呂律の回らない言葉が口から溢れ出る。自分でも、制御が効かない。
染谷勇次郎
染谷勇次郎
す、涼宮…!?
顔を軽く赤く染めながら後ずさりする染谷くんを見ながら私はぎゅっと手を握る力を強くする。
涼宮ふゆ
涼宮ふゆ
…にげちゃ、やれす。……もっと、なでて?
どうして、こんな言葉が漏れ出してくるんだろう。自分でもわからない。ただ、ふわふわとしてとても、いい気持ちだった。もう一個チョコレートを取ろうとした時箱を上から取り上げられる。
涼宮ふゆ
涼宮ふゆ
あれ…?
上を向くと渋い顔をした柴崎くんがいた。チョコレートを1つ摘むと匂いを嗅ぐ。
柴崎愛蔵
柴崎愛蔵
…いや、涼海、これアルコール入ってんじゃねぇか
涼海ひより
涼海ひより
え!?ほんまに…?
申し訳なさそうな顔でこちらを見てくるひよりを見て私はにこっと笑う。
涼宮ふゆ
涼宮ふゆ
気にしないれいいよ。ひより
そのままひよりの顔に自分の顔を近づけていく。
涼海ひより
涼海ひより
ふ、ふゆちゃん…?
涼宮ふゆ
涼宮ふゆ
んー…ひよりぃ、私のこときらい?
涼海ひより
涼海ひより
嫌いなわけないよ?
おどおどと顔を赤くしながら言ってくるひよりがなんでかとても可愛く感じて私は気がついたらとんでもないことを口走っていた。
涼宮ふゆ
涼宮ふゆ
じゃあ   ちゅーしよ?ひより
そのままひよりの唇に自らの唇を近づけていく。
涼海ひより
涼海ひより
ふ、ふゆちゃん!??
ひよりは逃げようとしているが肩を押さえているため逃げることは叶わない。





あと少しで、というところで私は柴崎くんによって捕獲される。
柴崎愛蔵
柴崎愛蔵
そこまで
染谷勇次郎
染谷勇次郎
さすがに悪酔いしすぎ
はぁ、と染谷くんが苦々しい顔でため息をついているのが見えて私は頬をふくらませた。
涼宮ふゆ
涼宮ふゆ
うー…
ひよりは何が何だかわからないようで目を回していた。私はゆっくりとひよりの肩から手を離すと机の上にうつ伏せる。
涼宮ふゆ
涼宮ふゆ
なんか、体ぽかぽかしてねむい…
そのまま私は意識を手放す。少しアルコールのような香りがしたような気がした。
柴崎愛蔵
柴崎愛蔵
…こいつ飲ませちゃだめだな
染谷勇次郎
染谷勇次郎
アルコール入りのお菓子でここまで酔うとかかなりやばいね
涼海ひより
涼海ひより
う、うちどんな顔してふゆちゃん見ればいいかわからん…っ
そんな会話がされていたことなど既に意識を手放していた私は気がつくことなどなかったのである。








(セコムがついてしまったのはまた別のお話)
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久しぶりの投稿です!
今回のお話は番外編ですが百合要素+ご都合主義を含むお話なので苦手な方はバックをおすすめします。


悲報ですが本文を書きためていたデータが消えてしまいましたので更に投稿が遅れる可能性がございます…すみません泣

酔った女の子のお話を前から書いてみたかったのですごく楽しく書けました!

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