ソーラン節。きっとどこの学校でも行われる種目だろう、学校によってアレンジが加えられたり動きが違ったりするが、盛り上がるのは変わらない。法被を纏い裸足で校庭に並んでいく。クラス学年関係なし、団結しないと成り立たない、指先1つで気持ちが左右する。
どうやらこの晴天の中での校庭で裸足になるのは苦痛なようで、ヒリヒリして仕方がなさそうだ。音を上げる人がちらほらといる中でソーラン節という競技の中でのリーダーだろうか、男女二人が校庭の真ん中に堂々と立ち腕を上げこう叫ぶ。
声と声が重なり校庭全域に広がるくらいの大きな声を上げれば聞き馴染みのある曲が流れ始める。一斉に腰を低くして構える、そして一人ひとり大きく動き出す。
普段学校で目立つような格好をしている彼らだが法被を纏って踊る姿は格好いい。普段は恐れおののく一般生徒らもこの姿を見たら惚れるだろう。実際、キャーキャーと踊る男子に声を上げる女子もいる。ソーランソーランと声を合わせて轟かせる。熱気も高まり汗が垂れてくる。
いよいよ終盤となってきた、真ん中にぎゅっ、と団子のように集まり最後の動きに入り、最後の決めポーズ。それぞれが拳を空に上げ叫ぶ。
拍手喝采。自然と拍手が校庭に広がる。
そして退場の合図と共に退場する選手達。
もう足の裏の痛みなんて気にならないほどに踊った。
初めて踊るとは思わせない程のキレッキレさにダンス部が見逃すはずもなくゾムに勧誘を仕掛けるが呆気なく断られる。他の運動部も勧誘しに行くが睨まれて終わるのでいつもと変わらず帰宅部でみんなと過ごすことになった。一方人気を欲しがっていたシャオロンは注目されて終始嬉しそうだった。
次の競技はなんだっけ、と皆が思い始める頃にらっだぁと緑色の放送が響く。次は何を見せてくれるのかと期待を胸に寄せるあなただった。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。