すっかり下校時間もすぎ、定時も過ぎて、あなたはいつもより長く感じる帰路をたどった。
あなたの家は和と洋を織り交ぜたようなとても一般の家庭、とは言いきれないような豪勢な家だった。
なぜなら、私は星月という家紋を背負っていたからだ。
玄関についたと同時に分かっていたかのように玄関がガラガラと開きおじいちゃんが顔をのぞかせる
やはり祖父としては孫の仕事は心配だったのだろう。単刀直入に話題を切り出してきた。
ガラガラ!!!と勢いよく襖を開けて元気な声でおかえりなさいと声をかけてきたのはあなたの弟子の綾芽だった。
目を輝かせた綾芽に私の昔話をきかせる。最近の彼女の楽しみだった。とても面白いリアクションで反応してるから私からすれば黒歴史であろうものなのに、話していて飽きることも嫌になることもなかった。
〜???通り〜
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!