ガラガラ__
『・・・・』
がやがやしていたクラスが一気に静まった。
「馬鹿じゃないのってねw(ボソッ)」
「それなw(ボソッ)」
その言葉を発したのは
あやのだった。
正直、何が起こっているのか分からなかった。
だから私はいつもの様にあやのの元へ駆け寄り話しかけた。
無理やり笑顔を作っていた。
怖くて。
次に口を開いたのは、みう。
みうは、あやのの仲がいい友達だ。
私はそんなに話したことないけどね...
静かな教室にみうの声が響き渡る。
意味がわからない。
私、あやのに何かした?
私が気付かないだけ?
ふと周りを見ると、
唇を噛みながら私を見つめるころん。
目が合うとすぐに俯いてしまった。
だから、私が何したって言うの?
もう、意味わかんない...!
「え、やば...」
「こいつ正気か?」
「頭おかしいだろw」
「あやの大丈夫?」
クラス中がざわめき出した。
違う、わたしはとぼけてなんか...
その瞬間、私の視界がぐらついた。
みうが私の髪の毛を掴んで、押し飛ばしたのだ。
「ちょ、ちょっとこれ大丈夫?」
「流石にやばくねぇか...」
私の耳に入ってきたクラスメイトの声。
そう思ってんなら助けてよ...っ
教室が静まり返った。
ザワザワ__
「やっぱり」?
ど、どういうこと?
あやのが泣き出した。
その瞬間。
みうがしょうの腕を引っ張り、耳元で何かを囁いた。
ダッ___
しょうは走って教室を出ていった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!