第10話

[10] 観覧車

855

2020/10/01 22:53

遊園地もついに最終ラウンドに突入した。
遊園地で男女二人……といえば、観覧車である。

あなた

お〜！外を見てみろ土方殿！
上がっていくぞ……！

土方十四郎

なんだよ、そのテンション
(可愛いんだが……///)

あなた

実を言うと……
観覧車に乗るのは、初めてなんだ！
“オラ、わくわくすっぞ！”

土方十四郎

そりゃ、よかったな
(悟○かよ……///)

あなた

土方殿！
“見ろ！人がゴミのようだ！”

土方十四郎

なんだ？ここはラピ○タか？
(今度はム○カ大佐って……キャラ変わりすぎだろ///)

あなた

あぁ、ラピ○タかもしれない
そして、“バ○ス”と唱えると崩壊するかもしれない……。あ、言っちゃった……。どうしよう、土方殿！“バ○ス”って言っちゃった！

土方十四郎

ラピ○タじゃねぇから大丈夫だよ！
それに飛○石もねぇからな

あなた

それも、そうだな……///

土方十四郎

顔、赤くなってるぞ……///

あなた

我に返ると恥ずかしくなってな……///
そういう土方殿も顔が赤いぞ、熱でもあるのか？

土方十四郎

違ぇよ……///
つか、お前のせいだよ……///

あなた

ん……？

土方十四郎

何でもねぇよ……

少しの間の後、土方が口を開いた。

土方十四郎

……お前はいいのか？

あなた

……？

土方十四郎

遊園地……
お前は、俺たちよりも……一緒に来たいやつがいるんじゃねぇのか……？
(何言ってんだ？俺……)

土方十四郎

好きなやつがいるって……
言ってただろ……？
(あなたの口から、そんなこと聞きたくねぇくせに……)

あなた

いいんだ、別に……

あなた

デートとは、一般的に恋人になってからするものなのだろう？生憎、まだその段階ではないのでな……

あなた

それに、私の好い人は忙しい人だからな……会うこともままならないというのに、一緒に出歩くことなど出来まいよ……

土方十四郎

(寂しそうな顔しやがって……)

あなた

そういう土方殿はどうなんだ？
好い人や恋人はいないのか？

土方十四郎

好きなやつは、いるよ……

あなた

そうか、土方殿も片恋なのだな……

土方十四郎

そうだよ……

あなた

その恋、叶うといいな！
私は応援するぞ！

土方十四郎

……ありがとな
(それなら、もう少し俺のことを見てくれねぇか……？)

観覧車が元の場所に到着した。
二人は観覧車から下りると、待ち組の新八と山崎がいる場所まで歩く。

志村新八

あ、土方さん、あなたさん

あなた

新八くん、観覧車とはいいものだな！

志村新八

楽しかったようで、何よりです

その後、皆が集合場所に戻ってきた。
土方とあなたの二人を一緒に帰らせようという企みもあったが、二人の間の空気……特に土方の雰囲気が微妙だったので、万事屋と真選組のそれぞれで解散することになった。

その後(真選組)

山崎退

副長、何かあったんですか……？

土方十四郎

なんもねぇよ……

沖田総悟

土方、ヘタレだもんなー

土方十四郎

ただ……

沖田総悟

無視かよ、死ね土方

土方十四郎

俺は、どう転んでもあなたに幸せになって欲しい……っ！？

その時、総悟が打ったバズーカによって、土方は吹き飛んだ。

その後(万事屋)

神楽

あなた！マヨラーとヅラ、どっちの方が好きアルカ？

あなた

ん？その“好き”というのは、どういった意味での“好き”なんだ？

神楽

恋愛の方に決まってるネ！
恋バナアルヨ！

あなた

それならば、兄上だ
土方殿はお友だちだ。それに、好い人がいると言っていたしな

神楽

(あなた、全然気づいてないネ……。マヨラー、不憫アルナ……)

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第11話 [11] 真

すもも

コンテスト受賞作品

グランプリ

好きになるのはキミ限定【完結】

なぁな

編集部コメント

主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした！<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。