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第2話

脱‐痛‐
39
2018/06/02 09:30
何をしたって。おれに普通は、通常は来ないのだろうか。

考えても、考えても、考えても、考えても。

どろどろになって、とろけて、無くなった頭の中身じゃ、まともに考えも浮かばない。


一人。


おれは、一人でいたかった。嫌われたかったはず?
うん、しっくりくる・・・はず?情緒不安定で視界が揺れる。

ぐらり、と。

そして、


落ちた。


ぐちゃりって音を立てて、肉が潰れて、骨は規格外のキャパシティで吐き出されたように、飛び出す。

目はぐぽりと、穴ができ。

口からは血が流れ出て、それで。


起きる。


何も起こっていない現実が。

まるで、先ほどのことは、幻想。夢。現実感の強い夢だと主張してくるみたいに。


夕焼けの濃い色に包まれ、染まった部屋は何もかもが、赤、赤、赤。

目までもが、染まってしまいそうな、べっとりとした、夕焼けの部屋。

思うように体が動かず、ぎくしゃくとした動きで起き上がる。

少し、いや、凄く布団が湿っている。べちゃべちゃだ。

雨の中、布団を敷いて眠ったみたいに。

雨が降っているときに窓を開けっ放しにしてしまったのだろう。


そうおれは考えた。


立ち上がろうとすると、


どちゃっ。


足が動かない。長い間、寝ていたせいで脳がまだ活性化していないと考えよう。

起きたばかりで目も開かず、片目はいまだに真っ暗のまま。

片目だけ、夜の中に落としてきた、みたいに。

足が動かないので這いずり回って、動く。


ずるり、ずるり、ずぞ、ずぞぞぞ。


服を引きずる音。夕焼けに反射して反響して五月蠅い。

少しずつ少しずつ、全身で夢に縋るみたいに。

いくら縋っても、頼っても、目の中にあるのは、おかしくなるほどの現実。


人は、世界は、意識は、現実は。


口から出されるものを好む。

吐き出した嘔吐物には、幸せなことには、嫌み、妬み、憎悪が混ざって、汚らしい色に。


びちゃ、どちょちょどぽっ。


何一つ綺麗なものなんてない。

音も、見た目も、匂いも、色も。

おれの口から生み出された。


嘔吐物。


その全てを吸い取って混ざろうとする夕焼け色がなんだか、おれみたいだった。

とろりとした夕焼け色が手からおれの全身に混ざって、マーブルになって、赤く染まった。真っ赤。


ズキリ、と。


ぐちょ、ぷつぷつ。

肌の切れる音。潰れる音。聞きなれた音。

また誰か、死のうとしてるのかな。

そう考える。

え?おれ?おれは違う。肌も切れていない。潰れてない。

それに、痛くない。

痛くなければ体には異常はないはずだから。


びりびりと、伝えようとしてくる特大の本能信号はおれに気づかせようとしているんだろうか。

なんで本能はおれに知らせようとしているのか。


ぽたっ。


雫は零れ落ちて、夕焼けの海を波立たせる。

ほわん、ほわんと。

まるをえがいて波は、消えていく。

ぽたぽたって。手を沿って、流れて、落ちる。

窓なんてない部屋に。監禁部屋みたいな部屋に。


『あれ、、、水たまりがある』

じくじくと、感じない痛みを思い出せたらいい。