side:Hoshi
今日は急遽リーダー会議が行われることになった。
…とは言っても、そんな仰々しいものじゃなくて、ウジの作業室に集まって話すだけの、会議とは呼べない雰囲気の、だけど。
議題は大体検討がつく。たぶん、あなたのことだ。
デビューを目前に控えながら、まだどのチームに所属するか決まってない。まぁ、あなたが器用だから決めかねてるだけで、マイナスな意味じゃないんだけど。
きっとそれを決めるために、今日は呼ばれたんじゃないかと思ってる。
深くソファーに座り込んだウジが、なんだか神妙な面持ちで口を開いた。
(あっ話題に乗れてないの俺だけ?)
俺を除くリーダー2人は、微妙な空気感を出しながら眉を潜めている。
え、俺が知らないうちになにかあった?全然知らなかった…昨日だってあなたとディノヤとご飯を食べに行ったのに。
とりあえず事情を知らない人間は口を噤むに限る。2人の出方を虎視眈々と見守る。
とはいえ俺もウリマンネズが可愛くてつい構いすぎてしまうけど…それは棚に上げておいて、きっと2人が考えすぎなだけで、ミンギュも同じようなものなんじゃないかな?
ウジは何事もなかったかのように、次の話に移っていった。
なんともない顔をしているけれど、俺には分かる。2人とも、まだあんまり納得していないようだった。
(また今日にでもご飯誘って、ミンギュとのことさりげなく聞いてみようかな…)
頭の片隅でそんなことを考えながら、今回の話し合いでもあなたの所属チームは決定することなく議会は決裂した。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!