第26話

パフォチのリーダー
497
2020/08/10 13:25
ホシ
ねぇミンギュヤとなんかあった?
あなた

ぶっ!!!!え、な、なんですか急に?!!



分かりやすく水を吹き出してしまった。
あまりに分かりやすい私の反応に、さすがのホシも確信したようだった。

ダンス練習のあと、ラーメンが食べたいというホシのリクエストに応えて、日本から持ってきた乾麺を調理し、ホシの部屋で食べていた。

濡らしてしまった床をフェイスタオルで拭き、もはや弁解の余地のない質問に、白旗をあげる。
ホシ
あーー俺がそう思ってるわけじゃなくて、ウジとクプスヒョンが言っててね…何があったの?


やっぱり、2人にはお見通しみたいだ…。
きっと昨日のリーダー会議で話題にあがったんだろう。

ミンギュに告白されて、自分の気持ちに気づいちゃったんだけどどうすればいい?なんて、口が裂けても言えない(脳内で再生してみただけですごい破壊力のある言葉だ)

上手く言えずに言い淀んでいると、ホシは豪快にラーメンを啜って、ほっぺをパンパンにさせた(ハムスターだ)

なにかを考えるように右上に視線を泳がせ、飲み込むと同時に口を開いた。

ホシ
あなたはさ、もっと俺たちを困らせていいんだよ?
あなた

こ、困らせる…?
いや、そんな…自分でどうにか出来ることは、なるべく自分で解決したいと思ってるんだけど…

ホシ
すごいよ、あなたはウリマンネなのになんでも自分で解決しようとしてて。
でも、無理に頼ろうとしなくてもいいけど、無理に解決しようとしなくてもいいと思うけどな、俺は。
あなた

ど、どういうことですか…?

ホシ
んー、もっと、自分が楽になるように行動してもいいよってこと!
相手の事を考えるのは素晴らしいと思うけど、それであなたが苦しくなるなら、俺はあんまりいいことだとは思わない。
むしろ、話して、ぶつかって、それでもダメだったら妥協点を探せばいいと思う。
だって、あなたもSEVENTEENなんだから。
と、ホシはもちもちの笑顔を私に向けてくれた。

…こうやって、SEVENTEENのみんなは、きっと相手を大切にしてきたんだな。

話さなくてもお互いを分かり合っているように見えるけど、実際はぶつかり合いを何回も何回も繰り返して、この関係を築いてきたんだ。



私は多分、どこかで一線を引いていたのかもしれない。自分はまだ輪の外側だって、みんなとの築いてきた時間の少なさを引け目に感じて。

そんな考えこそ、こうやって正面からぶつかってきてくれるホシに、みんなに…ミンギュに失礼なんだって、ようやく気がつくことができた。

ホシって、ただ明るいだけじゃなくて、ちゃんとメンバーひとりひとりを見てくれているんだろうな。鈍感なところはあるけれど、やっぱりついていくべき頼れるリーダーだ。
改めて、そう感じた。

あなた

ホシヒョン、ありがとうございます!
やっぱり、ちゃんとミンギュヒョンにぶつかってみようと思います…ありがとうございました!

ホシ
お礼言われるようなことじゃないけど、まぁ、そう言うなら今度またラーメン作って食べさせてね!日本のラーメン最高
あなた

おやすい御用です!
あと、やっぱり僕パフォチに入りたいって思ってました!

ホシ
やはーー!!本当に?!うわぁ嬉しい!
じゃあその件は明日にでも俺とあなたで統括リーダーに伝えにいく?
あなた

はい!お願いします!
…あー、でもクプスヒョンにめちゃくちゃヒポチを推されてて…一緒に説得してもらうことになっちゃうかもなんですけど…

ホシ
みんな自分のチームに入れたい気持ちは同じだと思うからそれは手伝うよ!
…そうだ、いい考えがある!


やっぱり、踊ることが1番楽しいと感じる私にはパフォチが合っているんじゃないかと考えてはいたものの、メンバーの意見に振り回されすぎて、意見に自信が持てずにいた。

でも、ホシの言葉を聞いて自分の考えに自信が持てたし、このリーダーについて行きたいとより強く感じた。

ホシの言う"いい考え"は私には絶対に思いつかない強引な策だったけれど、あまりに楽しそうな顔をするホシに、私もわくわくする気持ちを抑えることが出来なかった。


明日の作戦決行のため、私とホシは再びダンススタジオへと足を運んだ。



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