隼人と喋りたいけど喋ったら好きだってこと再確認しちゃうからできない。
…どうせ隼人は私のこと好きじゃないんだから。
(隼人)「なぁ、彩香。」
(彩香)「…!」目を逸らす
(隼人)「なんで無視すんの?」腕を掴む
(彩香)「…好きじゃないなら優しくしないでよっ!」
私、何言ってんだろ。
何故か涙が出てきた。
私はその場から逃げ去るように走った。
…明日は修学旅行なのに。
(北野)「何泣かせてんだよ。」
(隼人)「…。」
(北野)「僕、上村さん狙ってるから。 じゃーね。」
(彩香)「グスッ…」
(北野)「どうしたの、大丈夫?」
(彩香)「…大丈夫。 ごめん。」
なんでだろう、北野くんが優しくしてくれてるのに、隼人の事を考えちゃう。
…隼人に謝りたい。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。